金曜日はイスラム教の休息日である。にも拘わらず日本国内のイスラム教関係者にとっても今回の日本人人質殺害予告メッセージは他人事ではなく、イスラム教の教義や日本で生活する自分たちの立場も考えて、テロ反対を訴え何かと忙しそうだ。今日は2邦人の殺害警告の期限72時間に当たるのだが、政府の対応も確実な情報が得られないせいか、淡々として今一つすっきりしない対応に終始している。
周辺のイスラム圏諸国では、イェーメンでハディ暫定大統領がサイード派民兵と昨日一旦は妥協が成立したが、今日になって大統領職を辞任し、クーデターが成功した形となった。今後国内政治は一層混乱が予想されている。これでまたイスラム系過激集団が存在感を高まるとなれば困ったことである。
また、もうひとつイスラム圏サウジ・アラビアのアブドラ国王が今日亡くなった。齢90歳と言われているが、豊富な石油資源を背景に絶大なる権限と存在感を国内外に示していた。当面これまでのアメリカ寄りの外交姿勢を変えることはないようだが、後を継ぐサルマン皇太子は前国王の異母弟で今年79歳になるという。そのサルマン新国王を継承する序列の1、2位はいずれも前国王、新国王の異母弟で高齢というから複雑である。
さて、昨日の日経紙朝刊に居酒屋チェーン「ワタミ」の新社長に長男の高校ラグビー部仲間の清水邦晃くんが決まったとの朗報が載っていた。私も彼らの高校時代にグランドへよく応援に駆け付けたが、彼はラグビー部では司令塔と言われるスタンド・オフとして活躍し、ウィングの長男へよくパスを回してくれた。元々しっかりした好青年だったが、明大在学中に何かトラブルがあったのか、早々に中途退学してしまった。その時息子から話を聞いて大学は続けた方が良いと思ったが、彼なりの考えがあったのだろうか、「ワタミ」でアルバイトを始めた。真面目に務めて次第に周囲から信頼を勝ち得て正社員となり、ついにトップの座にまで上り詰めるという今様シンデレラボーイとなった。ラグビー部の仲間の中で気の合う友人だったようで、長男の結婚式にも出席してくれた。暮れにも長男らラグビー仲間と一緒に飲み会をやったようだが、学業で挫折を味わいながら、それを乗り越え努力を積み重ね、44歳の若手社長として出世するとはまったく考えてもいなかったし、大したものである。
だが、異例の抜擢となったこの人事は、前社長が2期連続で赤字が続いて責任を取らされたようだ。清水くんもこれから同じようなことになれば、同じように責任を負わねばならない。実際朝日の見出しには「ワタミ社長、経営不振で辞任-赤字見通し-後任に44歳清水常務」と書かれている。よほどの覚悟が必要である。息子にメールで聞いてみたら「本人も大変だと言っていたので覚悟していると思うよ。でも期待されていると思うので、友人として、応援して助けてあげたいと思います」との返事が返って来た。清水君ならきっと乗りきってくれると期待を込めて願っている。この社長交代がよほど話題性に富んでいるのだろうか、今朝の朝日、そして日経でも再び写真入りで紹介されていた。好漢清水くんの今後益々の活躍を期待している。
偶々というべきか、タイムリーというべきだろうか、昨日の朝日朝刊「オピニオン」に11月の出版記念会にも出席してもらった、軍事評論家小川和久氏が「イスラム国」の人質問題について卓見を述べていた。早速メールで感想を送ったところ返事をいただいた。小川氏が相手国を知るのは、一般国民レベルで話し合う気持ちが大切だとの主張にはまったく同感である。
さて、今日大相撲初場所13日目で横綱白鵬が5場所連続優勝を飾り、大鵬の32回優勝を追い越す過去最多33回目の優勝を成し遂げた。しかも結びの一番でもの言いがついて取り直しの末大関稀勢の里を破った印象的な決着である。これからあと何度優勝を飾ることができるだろうか。年齢的に30歳前だけにまだまだ期待できる。北の湖理事長は、白鵬に優勝40回を期待しているという。