昨晩オレンジ色の着衣を着込んだ人質の後藤健二さんが、「イスラム国」から言わされた3度目のメッセージを送って来た。24時間以内にリシャウィ死刑囚を解放しなければ、後藤さんを殺害し、その前に拘束しているヨルダン人パイロットを殺害すると脅迫したのである。今度は後藤さん自身が前日述べた24時間以内に自分とリシャウィ死刑囚との交換釈放については触れていない。いつのまにやら、死刑囚と後藤さんの交換が、死刑囚とパイロットの交換に代わっている。ヨルダン政府の苦悩が浮かび上がって来るようだ。
ヨルダン王宮前では、パイロットを釈放せよとデモ隊が取り巻いている。ヨルダン政府はこの国民の声をまったく無視するわけにいかない。いずれにせよ、はっきりした確信がないまま時間だけは刻一刻と迫っている。後藤さんの話題がパイロットにすり替わったことに対して、日本側もこれという打つ手が繰り出せない。
いつになったら解決へ向けて前進するのやら、気が気でない。ともかく今はヨルダン政府がリシャウィ死刑囚を釈放するのと引き換えに、ヨルダン人パイロットを解放しろと求めているところである。後藤さんはどうなるのか。
テレビ、新聞だけに限らず、週刊誌もこの人質事件を大きく取り扱っている。駒澤公園へのウォーキングの帰りにコンビニでこの事件を大きく扱っている週刊誌を2冊買い求めてきた。当分の間目が離せない。
そんな人質事件の最中に、一昨日は悪名高いユダヤ人虐殺のアウシュビッツ収容所が解放されてからちょうど70周年という歴史的な一日となった。各国の首脳もその式典に参加したようだが、1945年にソ連軍が解放したことから、催しにはいつも出席していたロシアのプーチン大統領が出席しなかった。欠席の言い分は招待されなかったからということのようだが、主催者としては、特定の人物を招待することは今までもしてこなかったようだ。ウクライナ問題で欧米と距離があるプーチン大統領が臍を曲げたのではないかと憶測されている。
これはアメリカにしても同じで、オバマ大統領が出席しなかったことは、先のパリ・テロ事件後の追悼行進に参加しなかったことと併せて、オバマ大統領の失点と言われている。
他方、国内では目立った事象として、昨日発表された「スカイマーク航空の再生法申請」とJR九州の上場申請がある。前者は今からほぼ20年前に、日本航空と全日空の寡占状態に殴り込みをかけて安売り航空券販売会社エイチ・アイ・エスによって設立された。その後順調に実績を伸ばして国内航空会社第3位の地位にまで進出した。IT企業から乗り込んできた経営者の思い切ったマネジメントが思惑の違いを呼んだようだ。エア・バス社へ大量に注文した新鋭機をキャンセルして、多額の損害賠償金を要求され、乗客搭乗率の降下とともに行き詰まった。
一方のJR九州は上場を予定しているようだが、同社は主要の鉄道業では赤字のままである。稼ぎの素は、不動産業だというからイメージとは程遠い。派手な宣伝で「七つ星」などの観光用列車を売り込んで成功し得意満面であるが、「七つ星」は乗車したくともいつも満席で地元客が予約を取れない状態である。その一方で、普通車はガラ空きという鉄道会社としては不本意な経営である。しかも国鉄から分離した際、国から受け入れた助成金約4000億円を返還していない。
分かりにくい話ばかりである。