4372.2019年5月2日(木) 問題を抱える国々と平和ムードの日本

 国内では、新元号令和になって皇室関係の祝賀行事が続いていて穏やかで平和な空気が流れているが、国外では日本とは正反対のトラブルに悲鳴を上げている国も多い。

 経済・政治が不安定でクーデター騒ぎまで起きている南米のヴェネズエラでは、インフレが加速度的に進み昨年物価上昇率250万%となり、デノミを実施して経済は破綻状況に追い込まれている。独裁者マドゥラ大統領に対抗して今年1月グアイド国会議長が暫定大統領を名乗り、一昨日には外へ出てマドゥラ大統領に反対の意思を表すよう軍や市民に呼び掛けて、首都カラカスを中心に軍隊が出動し緊張が高まっている。グアイド氏は軍に大統領から離反するよう呼び掛けているが、若手に同調者がいるものの軍幹部は利権と結びついていて大統領とは分かちがたい関係にあるらしい。対立の背後にはグアイド氏を支持するアメリカ、ブラジル、コロンビアなどがいる一方、大統領は中国、ロシア、キューバ、ボリビアなどが支持している。

 アジア、アフリカでも問題がある国が多い。アジアではインドネシアで、先月17日に投開票された大統領選の結果の予想は伝えられたものの、その後公式発表がない。ジョコ大統領がほぼ確実に当選と言われているが、正式には今月22日に公表されるという。どうしてこうも時間がかかるのかと思っていたら、集計作業に従事していた81万投票所の700万人のスタッフのうち、アメリカCNNに依れば311人が死亡し、2,200人以上が体調を崩したという。開票に携わった係員が過労で300人以上も亡くなるなんてことは信じられない話である。 

 アフリカではスーダンで先月実行された軍事クーデターにより30年間独裁政治を行っていたバシール大統領が追放されて、2年間の軍部による暫定政権が成立したが、豊富な地下資源を抱える南スーダンの独立問題を抱えて軍事紛争となり情勢は混とんとしている。

 上記の国々に比べて政治的に安定している日本では、新天皇、新皇后が即位され、国を挙げて両陛下を歓迎しているところである。しかし、改めて皇室に関して将来的な展望から難題が蒸し返されている。実は新天皇の即位に伴い、皇位継承者が僅か3人にまで減少したことが危惧されているのである。安倍首相には皇室の在り方に格別の思いがあるようで、長州人である首相には皇室にある種のわだかまりがあり、女系天皇を認めない皇室典範の改正については消極的とされる。昨日菅義偉・官房長官は「男系継承が古来例外なく維持されたことの重みなどを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」と消極的姿勢をにじませた。菅氏のコメントは、天皇制がつぶれては元も子もないということが分かっていない。その責任を背負っている国会議員は速やかに結論を出すべく行動を起こすべきではないか。

2019年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com