4341.2019年4月1日(月) 新元号決定、「平成」の後は「令和」

 数日前から「平成」時代の後の新元号発表が待ち望まれていたせいか、今日は各テレビ局が11時30分前から新元号を発表する菅官房長官をじっと待っていた。10分ほど遅れて40分ごろ菅官房長官から発表された新元号は「令和(れいわ)」というものだった。これまでは四書五経など中国の古書を参考にしていたが、「令和」は日本最古の歌集「万葉集」の「初春令月 気淑風和 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香」から引用したものである。この書下ろし文は「初春の令(れい)月(げつ)にして 気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」であり、文化勲章受章者の中西進・前日本ペンクラブ副会長の現代語訳では次のようになっている。

 「時あたかも新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」。

 安倍首相の談話では、「人々が美しく心を寄せ合うなかで、文化が生まれ育つ」と「令和」に込められた意味を説明した。現代のように移り変わりの激しい時代には、万葉集の精神や古代日本の文化を理解するのは中々難しいが、「令和」の名前自体の評判は大方良いようだ。

 これを発表する前の官房長官のこぼれるような笑顔が普段の仏頂面と違って良い対象である。いつも苦み切った顔をしている官房長官が昨日辺りから随分笑みが顔に表れるようになった。「令和」と読み上げた時の表情が、今後長い将来に亘って、時によってこの発表のシーンが紹介されるであろうことが「一世一代の名誉」としてよほど嬉しいのか、強面で記者の質問を邪険に遮る時とは随分違うものだ。菅家末代までの栄誉と思っているのだろうが、あまりにも露骨な豹変ぶりには大人気ないと思うだけだ。

 海外では、日本の元号のような国独自の暦のような習慣があまりないせいで、その意味が理解されない点から報道もそれほどないようだ。今では中国ですら中国独自の元号は清朝以降消えてしまった。それでも漢字の母国と考えて漢字に拘りのある中国では、「令和」について一言言いたいらしい。新元号が中国の漢書から引用されなかったことが不愉快なのか、「令和」は「黄帝内径」から引用しているというし、意地の悪い中国人は、「令」は「零」と同じ発音で、「令和」とは「平和がない」という意味に取れると昨今何でもかんでも日本にイチャモンをつける尊大な中国人らしいコメントを述べている。今日がエイプリルフールに当たると言ってやりたいくらいである。

 今日4月1日は新年度スタートの日でもある。企業では新入社員の入社式が行われたところが多い。同時に今年ほど旧来の社名を変更する大企業が多いことが少々気になる。新日鉄住金㈱が日本製鉄㈱に、三井生命が大樹生命に、7月には旭硝子㈱がAGC㈱に変更する。来年の4月1日には、長い社名で評判の悪かったSOMPOホールディングス・グループの「損害保険ジャパン日本興亜」が「損害保険ジャパン」に社名変更し、同じグループの「損保ジャパン日本興和ひまわり生命保険」も「SOMPOひまわり生命保険」に社名変更する。どうして折角の立派な社名を変更するのかと疑問に思う点もあるが、伝統ある社名を変更することによって営業上効果が上がれば幸いであるとは思う。

2019年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com