4277.2019年1月28日(月) 厚労省統計不正は政官劣化の象徴か?

 このブログでも何度か取り上げた厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正について、今も問題は解決せず、否むしろ一層怪しい様相を呈している。今日通常国会が召集され、冒頭この不正について安倍首相は陳謝したが、臨席された天皇が平成最後の国会で述べられたお言葉の直後にしては、あまりにも恥ずかしくお粗末ではないかと思う。これも首相の日頃の不遜な言動と人柄の成せる技だろう。

 とにかく非常識極まるものである。厚労省には表面的にはともかく本心ではまったく反省の様子がないようだ。従業員500人以上の全企業に対して勤労統計資料の提出を要求すべきところを、東京都に対しては選別して3割しか請求していなかった。完全に手を抜いていたのである。その結果全体として数字が下がり、支払うべき国の費用が少なくなった。このため再調査したうえで追加支給するため、一般予算支出を追加するという国家財政上の問題を提起するに至った。問題はこれで済まない。この不正を糾弾するため、開かれた特別監査委員会が中立ではなく、厚労省内部の幹部、とりわけ官房長が質問までしていたことが分かった。他にも質問にも時間を費やさず、中にはメールで問い合わせたという杜撰な再調査もあった。これでは厚労省ペースで意図的に資料が作成されてしまう。まだまだ問題解決は先の話である。

 この状況に今朝の朝日新聞「声」欄に企業OBの68歳大学院生が呆れて、「勤労統計 官僚の劣化甚だしい」と厳しく非難している。そして夕刊の「素粒子」欄には、「『身内』の検証どころか、官房長同席の『圧力』検証だったとの新たな問題。きょう開幕の国家で徹底的に膿を」と。いつになったらすっきりするのだろうか。

 さて、昨晩遅く帰宅したところ、人気グループ「嵐」が2020年末を以て活動を休止するというニュースが衝撃的に伝えられた。今日もテレビのエンタメ番組ではどのテレビ局も時間をいっぱい取って「嵐」の活動休止の原因や、今後の行方などについて手取り足取り解説していた。確かに30代の若者たちがメンバーとなっている「嵐」は今絶頂期である。NHK紅白歌合戦でも昨年まで10年連続出場し、メンバーがそれぞれ個性的に活躍している。リーダーの大野智が普通の生活をしたい、やりたいことをやってみたいということを申し出たことがそもそもの発端のようだが、近年人気グループの解散が目立っている。一昨年は‘SMAP’、そして昨年は‘TOKIO’が解散に追い込まれた。‘TOKIO’の場合は、メンバーのひとりがスキャンダルを起こしたことが解散の理由だったが、「嵐」の場合はそうではない。5人のメンバーは、10代でデビューして早や20年になる。外からは本音は窺い知ることは難しいが、ひとりで自由気ままにプレイ出来るのとは異なり、いくら気ごころを知っているとは言え、他人と長い間に亘ってグループを組んでショーを実演するのは難しいだろう。

   それにしても歌とダンスのグループが2年後に活動を休止すると発表したことが、日本中を地響きさせている。些か異常ではないだろうかと思うのは年寄のひがみだろうか。

2019年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com