昨日ネットで「にっぽん丸」に関する衝撃的な記事を見た。そして、それが今朝の朝日新聞に掲載された。「大型客船が事故 船長飲酒か」との見出しである。何とクリスマスに乗船したばかりの商船三井客船の「にっぽん丸」が、30日午後9時過ぎにグアム島からサイパン島へ出発してまもなく、船尾がアメリカ海軍の桟橋に接触して船体の右舷を損傷した。その場で航行を取り止めたという衝撃的な事態である。新年を外洋航海で迎える予定だった乗船客はさぞ落胆したことだろう。にっぽん丸は、26日横浜埠頭に到着してわれわれを降ろしてから、整備を終えてその日の夜グアムへ向けて出港した。そして4日後の30日朝グアムへ着いた。その夜サイパンへ向け出港した直後に事故を起こしたらしい。我々が下船してから僅か4日後の事故だというから驚くではないか。
神戸から横浜までのクルージングは満足感いっぱいで、商船三井に乗船記を書くと約束していたので、クルージングの楽しさを満喫したと同時に大満足したとの印象を認めた原稿を書き上げた。その原稿を昨夜掲載予定紙へ送付したばかりである。船は右舷に大きな穴が開いたようだが、乗客、乗員624人にケガ人がいなかったことが何よりである。乗客はクルージングを止めて、すでに航空機で帰国したようだが、新聞記事に書かれたように船長に飲酒した疑いがあるそうだ。
自動車事故の原因にしばしばドライバーの飲酒が挙げられるが、車ばかりでなく、最近は航空機のパイロットにアルコールが検出されて安全運航面とモラル面で大きな問題になっている。実際本記事の隣欄に「飲酒の時間 虚偽報告~全日空、機長の処分検討~」との記事が載っており、唖然とするばかりである。自分の仕事を何と思っているのか理解出来ず、モラル面でも話にならない。今度の接触事故で船長に飲酒の疑いが生まれたとは、あまりにも軽薄で無責任で、大勢の人の生命を預かっている責任ある立場の人の神経とはとても思えない。
クルージングを終えた翌日、招待していただいたお礼に言葉に添えて拙著8冊を関係者及び「にっぽん丸」図書室などに贈ったところだが、いずれ近日関係者と話をする機会があると思う。聞けるなら、さらりと本音の一端を聞いてみたいと思う。