今日サントリーホールで開かれたニューイヤー・コンサートに妻と出かけた。オーストリアでウィーン・フィルハーモニーと並ぶ名門オーケストラで、創立100年を超えるウィーン・フォルクスオーパー交響楽団が、1994年以来毎年年末年始にかけて来日して日本各地で公演を行っているが、今年は日本とオーストリア修好150周年記念イベントと銘打って演奏している。有名なオーケストラだけにお値段はやや高かったが、それに見合うくらい充分に堪能した。
ついては、昨日ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤー・コンサートがNHKテレビで生中継されていたが、今日も主にワルツから、オペラまでソプラノ、テノール歌手の独唱とダンスを織り交ぜて楽しませてくれた。最後の曲目は♪美しく青きドナウ♪だったが、当然のようにアンコールの拍手が鳴りやまず、アンコール用に3曲演奏してくれたが、昨夜のウィーン・フィルハーモニーと同じ♪ラデツキー行進曲♪は演奏されず、ちょっとがっかりしていたところ、4曲目最後の最後になって拍手とともに♪ラデツキー行進曲♪が始まり、印象に残るジ・エンドとなってほっと胸をなでおろした。ソロも、ダンスも中々素晴らしかった。
更に、今日はコンサート開演前に度肝を抜くような驚愕的な事態があった。小ホールで4人の楽士がプレ・コンサートを行っていてほとんどのテーブルがいっぱいだったため、立ったまま聴いていた。そんな時に突然目の前に立っていた中年の女性が、ゆっくり真後ろにいた私に向かって背から倒れてきた。隣の女性と2人で支えて係員を呼んでから応急手当を施されて担架で外へ運ばれていった。生命には異常がないと思われるが、こんなハプニングは初めてである。女性に意識はあったようだが、脳神経系の咄嗟の発作で倒れ込んだようだった。番外のハプニングに、正月早々驚かされる一幕だった。
本番の超一流の演奏は、心に訴える本物のクラシック音楽の良さを味わわせてくれた。やはり、一流の演奏をその場で耳にすることは臨場感が伴い、事件の現場に立ち会うようなピリピリする感覚である。やはり現場で本物に触れるということが最も魂を揺さぶられるものだと再確認した次第である。