4247.2018年12月29日(土) 長く交流していたブラジルの友人を想う。

 年末になるといつもながらテレビで普通のニュース番組が少ないような気がする。賑やかなエンタメ番組が多く、それもこの時期特有だと思うからある程度やむを得ないが、外国ばかりでなく日本を取り巻く重大ニュースもたくさんあるのにもう少し報道機関としての使命を理解して欲しいものだと思う。

 いま日本で最も注目されている外交問題は、韓国海軍艇が日本の経済水域内で航空自衛隊P1哨戒機に向けて特殊なレーザー光線を照射したことであり、まかり間違えれば大きな事故に繋がりかねないし、軍事衝突の危険もはらむ恐れがある。問題をややこしくしているのは、韓国国防省が照射を最初から否定していることであり、防衛省は記録した証拠があると昨日テレビでその現場動画を公開した。しかし、韓国側は未だにこの事実を認めず、北朝鮮の漁船を追跡していたとか、自衛隊機の警告は雑音で聞き取れなかったとか、日本の主張を頑として否定している。日韓両国の間には、近年従軍慰安婦問題の蒸し返し、戦時中の徴用工賠償、そしてこの海軍艇照射問題が持ち上がり外交関係も穏やかではない。この他に国内には株価低迷もある。海外でもアメリカのメキシコ国境閉鎖問題、イギリスのEC離脱、米軍のシリアからの撤退、フランスの反マクロン・デモなど目白押しである。

 身近なところでは、昨日辺りから寒波襲来により各地とも積雪に悩まされている。交通機関も、特に航空機に欠航が増えているが、年末恒例の海外へ出かける旅行客は、今日だけで8万人というから景気が良いのか悪いのか分からない。

 少ないニュースの中でちょっと気になったのは、カイロ郊外で観光バスが道路に仕掛けられた爆弾爆破によって死者4名が出た事件で、ふっとブラジルの親しい友人を想い出した。観光客らは、ピラミッド脇で毎夜行われる光と音の素晴らしいイベント・ショー「SOUND & LIGHT」を鑑賞に向かう途次だった。実は、半世紀近く昔このオプショナル・ツアーに参加して堪能したが、その時知り合ったのがブラジルから来ていたアーリンド・フルタードさんというお医者さんだった。それ以来アミーゴが来日した際には、富士山、箱根、日光、我が家へ案内し、逆にブラジルに行った時は彼の自宅を訪ねたり、リオ市内も案内してくれた。半世紀近くに亘って文通を続けていたが、昨年からX’mas card送付を断腸の思いで取り止めた。あれほどまめだった彼からこの数年手紙が送られて来なくなったからである。音信不通状態になってしまったのである。彼はひとり暮らしでもある。偶々2年前にブラジルへ出かけた友人に彼のマンションを訪ねてもらったところ、体調が悪そうでインターフォンで話しただけで会えなかったと言っていた。年齢的にも90歳近くで、勝手な想像ではあるが、すでに亡くなられたのではないかと悲しい判断をせざるを得なかった。

 これも少ないニュースの中から「SOUND & LIGHT」に想いが至り、偶々辿り着いた外国人友人の消息である。寂しい気がしている。それにしても今日はいつもよりニュース番組を観ることはなかったが、嫌な事件がなければ好いと思う。

2018年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com