4241.2018年12月23日(日) 平成最後の天皇誕生日

 今日は平成最後の天皇誕生日である。天皇は今日85歳の誕生日を迎えられた。平成となってから30年間、天皇は太平洋戦争の戦没者に対する慰霊のお気持ちが強く、美智子皇后ともどもサイパン、ペリリュー、フィリピンなどの戦地へ戦没兵士を弔うため巡礼された。沖縄には前後11度に及ぶ慰霊の旅をされておられる。自然災害に際しても皇后とともに進んで被害者に接触して慰めの言葉をかけておられた。特に、国民が感銘を受けたのは、被害者と話される時に同じ目線で言葉を交わすよう努められ、膝まずいておられた姿が印象的である。 

 戦没者が祀られている靖国神社天皇が参拝しないことにつき、一部に非難めいた言葉くことがある。靖国神社関係者からも不満を露わにした批判的な言葉が聞こえてくる。個人的な意見ではあるが、天皇は昭和時代に起きた戦争について昭和天皇の責任が少なからずあるものと考え、戦争の犠牲者に対して殊更今上天皇としての弔意を示していると思う。同時に、靖国神社に占領軍が戦争犯罪人と断罪したA級戦犯が、一般の戦没者とともに祀られていることに苦慮され、若干距離を置いておられると思う。それが、今も天皇が靖国神社へ参拝されない理由であり、真意だと考えている。

 天皇は「国家の象徴」として30年間天皇の地位におられたが、その平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに安堵していると述べられた。近現代4代の天皇の中でただひとり軍服を身にまとうことはなかった。在位中戦争のなかったのは、今上天皇だけである。先日の会見では、国民に感謝の言葉を述べるとともに、来年には結婚60年を迎える美智子皇后への感謝の気持ちを優しく述べておられた。

 昨年、今年と幸いにも東京オペラシティで開催された東日本大震災復興支援チャリティ・コンサートで、天皇・皇后と同じクラシックを楽しむ一体感に浸ることが出来た。国民の中に溶け込まれた天皇には、ご苦労様というねぎらいの言葉をお伝えしたい。それと同時に、来年4月には譲位され大役から解放されるので、ご夫妻でいつまでも元気にお過ごしいただきたいと願わずにはおられない。

 今晩NHK特集「天皇 運命の物語」が放映されたが、幼い皇太子時代から苦労を知らされていたようだ。懐かしい映像がかなりあったが、皇太子ならではのご苦労が今日人を思いやる姿勢に表れていると感じた。

 今日皇居の一般参賀には過去最大の約8万3千人の人々が訪れたという。これも天皇が譲位されることから多くの国民が別れを惜しみに来られたと思う。本当にお疲れ様です。

2018年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com