4240.2018年12月22日(土) 過去最大級の来年度予算案

 来年度予算が閣議決定されたが、総額が何と過去最大で100兆円の大台を超えた。何といっても少子高齢化の影響もあって社会保障費の伸びが著しい。全体の歳出のうち33.6%を占めている。その他に伸び続けている防衛費は過去5年連続の伸びで、5兆2千億円に達する。かつて、防衛費は全歳出の1%がひとつのシーリングだったが、今では誰もそれを言う者がいない。今や防衛費は聖域と化してしまった。今後トランプ大統領のご機嫌取りのために、高額なイージス・アショアや最新型戦闘機など最新兵器を買わされて、防衛費はうなぎ上りに増え続けることになろう。

 もうひとつ理解に苦しむのは、消費増税に絡む消費対策である。来年10月に消費税を2%引き上げ10%とする。消費税10%自体は、紆余曲折あったが、すでに2012年に決まっていた。来年2%の増税により税収は5.7兆円増える見込みだった。この内4/5を社会保障費の財源に充てて国の借金返済に使い、残りを社会補償の充実に充てる予定だった。ところが、安倍首相はこれを変更して一部を教育無償化に使うことを決めた。この結果、借金返済に充てられる額は増収分の半分の2.8兆円となり、教育無償化などには1.7兆円が充てられる。

 消費税増税にあわせて、初めて導入される軽減税率がまたややこしい。除外品目が多く、例えば弁当を買った店で食べた場合と持ち帰った場合の税率が異なるなど、あまりにも複雑すぎて消費者を困惑させそうだ。ポイント還元制度など中小店舗でキャッシュレス決済により買い物すれば国の負担で決済額の原則5%ポイントがつく点など、反って分かり難く手間をかけることになる。現金決済だけをやっていた零細店舗などではそのためのレジを購入しなければならず、余分な経費がかかる。

 こういう複雑な予算を組ん結果、消費税増税により反って対策費用が増え本末転倒となり、一体何のための増税か分からなくなる。頭の良い財務省スタッフが、身内の不祥事のせいで作成する予算案が遠慮がちになり、そこをしたたかな官邸政治家に付け込まれて利用され、首相周辺にとっては至極都合の好い予算案になったというわけである。結果的に苦しむのは、いつもながら納税者である国民である。

 さて、今日は偶々東京へ出張中で我が家へ滞在している長男が、私の傘寿の祝いに妻ともどもディナーをご馳走してくれた。すでに予約してくれていた深澤不動尊傍の中々しゃれた日本料理店で和食に舌鼓を打った。先日の次男といい、やはり息子たちに食事で祝ってもらえるというのは嬉しいものである。

2018年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com