4239.2018年12月21日(金) アッと驚くゴーン前日産会長再々逮捕劇

 昨日日産前会長のカルロス・ゴーン氏と同社前代表取締役グレッグ・ケリー氏の東京地検特捜部の拘留延長が却下され、すぐにも仮釈放されるだろうと報道された。ところが、今日になって一転、ゴーン氏は自らが経営する資産管理会社の損失を日産に肩代わりさせたとの特別背任の疑いで3度目の逮捕をされてしまった。ゴーン氏は引き続き拘留させられることになった。ケリー氏については仮釈放が請求されているので、保釈金が支払われ次第釈放されると見られている。東京拘置所前では、ずらりと取り巻いた多くの内外記者団の関心と意気込みが感じられた。

 特捜部によれば、ゴーン氏再逮捕の理由は、これまでと同じ金融商品取引法違反ではない。ゴーン氏の私的資産管理会社と銀行の間で通貨のデリバティブ(金融派生商品)の取引を行っていたリーマン・ショックが発生した2008年、資産管理会社は多額の損失を発生させてしまったが、この時約18憶5千万円の評価損を生じさせ、それを日産に負わせ、それが特別背任との疑いを与えた。これから捜査は進められていくだろうが、それにしても一流の経営者にしては、ゴーン氏の行為はあまりにも悪質で、セコイのではないか。

 このニュースは、国内のみならず、フランスを中心とする海外メディアの関心も呼んでいるが、とりわけフランスでは日本の司法制度の公平性に疑問を抱くところもあり、今後ゴーン氏が直接自らの否認について語る場合に日産にとって不利になる空気を醸成するのではないかと懸念される。

 今日の夕刊には、この他に目を引くニュースが載っている。あのトランプ大統領が政権の中でも信頼していと思われていたマティス国防長官が、来年2月に辞任するとの報道である。昨日アメリカが公表した米軍のシリア撤退にマティス長官が強く反対したことが、原因と言われているが、海軍大将でもあったマティス国防長官は、アメリカがイラン核合意からの脱退でも、大統領と対立したことにそもそもの原因があったようだ。

 問題は、こう度々政府の要職にある人物後から後から替わるというは、政権内部の規律がきちんとしていないせいだと受け取られ、決してプラスはならない。果たして立て続けのゴタゴタが国家の安定的な運営にとって足を引っ張ることにならないだろうか。些か気になるところである。今ではアメリカでは、すべてが大統領の気分次第で閣僚の顔ぶれが変わる。外から見ていると組織が不安定だということと、人間関係がうまくいっていない印象を与える。国の屋台骨までがたついているように見える。世界第一の大国と得意顔のトランプ大統領も、自分の身内さえきちんと押さえられないようでは、自国民に示しがつかないのではないか。これでは、アメリカ人のみならず、アメリカ人以外にも不安を与えかねない。

2018年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com