4238.2018年12月20日(木) 保護主義が生む身勝手

 アメリカのトランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を言い出し、自国第1主義を強調してから保護主義の風潮が目立ち始め、困ったことに相手のことは考えず、自らの好都合ばかり主張することが通り相場になってきた。元来資本主義はそういう傾向にあるが、これが行き過ぎると個人の生活にも影響してくる。

 まだ、詳しいことは分からないが、このところ港区南青山の高級住宅地で区が計画中の児童相談所4階建ビルの建設を巡って地域住民が反対運動が起きていることなどはその典型ではないかと思う。反対住民に言わせると自分たちは高額の投資をして土地を買い青山に住んでいるが、その種の施設が出来ると土地の価値が下がると言うのである。待機児童を始め行政が一番悩んでいる問題解決の突破口になる児童相談所の建設を自分たちだけに有利なプライオリティを主張しているのである。これと同じような施設が5年前に江東区?に建設されたが、地域住民によるとまったく問題はないという。青山の反対住民の気持ちは、嫌な雰囲気になる可能性を感じただけで自分たちの利益が損なわれると単純に考えている。一例にしか過ぎないが、多少物質的に豊かになると自己利益ばかり主張するようになる人間性がはしなくも露呈された例である。これに限らず、今後自分の言い分だけを主張して、他人の気持ちを汲み取るような配慮が少しずつ消えていくような気がして寂しい限りである。

 さて、今日東京地裁は、国内外に話題を提供している日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者と前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者に対して検察側が請求した拘留の延長を却下した。2人は金融商品取引法違反の疑いで先月19日に逮捕されていた。容疑は多額の報酬を得ていながら、それを会社の有価証券報告書に過少に記載したことから金融商品取引法違反のかどで逮捕されたものである。ゴーン前会長はすでに日産と三菱自動車の会長職を解任されたが、親会社のルノーでは依然として最高権力者の地位にあり、日産とルノーとの間で微妙なさや当てが始まっている。2人は容疑を否認しており、明日にも仮釈放された後、ルノーと対策を練ったうえで日産と三菱へ抵抗してくるのではないだろうか。いずれにしろ、高額報酬を得ていながらそれを違法に隠蔽しようとする悪どさには呆れるばかりである。気の毒なのは、会社と経営者が批判される会社の社員たちである。

2018年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com