4235.2018年12月17日(月) 高校の国語教育は大丈夫か。

 今日の日本ペンクラブ理事会で、定例の審議事項の他に大きな議題になったのは、「文芸春秋」2019年1月号に掲載された阿刀田高氏の「高校国語から文学の灯が消える」である。文科省が今年3月に公示した2022年度より施行される新学習指導要領の高校国語のカリキュラムである。阿刀田氏が問題視しているのは、高校1年生がこれまで学んでいた「国語総合」が、「現代の国語」と「言語文化」の必修2科目に分かれ、1年生次に国語では小説を扱う時間が半分程度に減るというころから、国語の授業でいわゆる文学作品から縁遠くなる点を危惧したものである。これに対してペンクラブとして声明を公にすべきということになった。私自身今の小学校の授業で「綴り方」がカリキュラムから姿を消し、これが若者の文章力の低下を招いている一因と思っていたので、これらの問題を含めてペンクラブとして国語教育の在り方について文科省に提言すべきだと思うと私見を述べた。

 理事会の後、ペンクラブ今年度新入会員歓迎式が近くの鉄鋼会館で行われ、私が推薦して新会員になってくれた近藤聰さんも来られた。彼とは市川学園中学1年生時に同じクラスに在籍した。クラスには他に「近藤」姓が2人もいたので、学校でも話題になっていた。彼も会員になったことを喜んでくれたので、推薦した甲斐があった。終わって近くの飲み屋で奢ってもらったが、知らなかった彼の一面を話してもらって感心した。随分苦労されたようだが、起ち上げたデザイン会社を経営するに自信満々な考えには、敬服した。これから助け合いながら仲良くやっていきたいと思っている。

 さて、臨時国会が終わり、13もの法案を中途半端なまま強行通過させて自民党は一息ついていると思いきや、沖縄の辺野古土砂投入が県民の強い不満を呼び、強気な発言の内心は困惑しているのが実情だと思う。憲法改定への一里塚と思っていた自衛隊の明記なども発表することがなかった。だが、自衛隊関連では、自衛艦「いずも」と「かが」にステルス戦闘機など最新型戦闘機をそれぞれ8機も搭載し空母化を検討しているが、「専守防衛」を逸脱するとの批判を恐れ、「多用途運用護衛艦」と名称だけを変えて目先の変化球を投じる考えのようだ。これで今後5年間に防衛費約27兆円を予算化する計画らしい。

 東京新聞の望月衣塑子記者が、単刀直入に記者会見で政府を追及するのに懲りたのか、政府はメディア各社内で要注意記者に対する露骨なパワハラをやっている。直近の例では、森友学園の国有地売却問題をスクープしていた元NHK大阪放送局記者が、左遷され報道現場から外されパワハラされたためNHKを辞めた。政権側からメディアに対する圧力が、このところ強まってきている。それでも朝日、東京両紙は会社の姿勢が比較的一貫してリベラルな姿勢を崩していないため、政府に対して厳しい意見を突き付けている。

 沖縄問題の扱いを見ていても昨今の安倍政権の強引なやり方は、常軌を逸している。1強他弱の現状に胡坐をかいている安倍政権にお灸をすえるためには、もう少し野党が結束して対抗すべきであるにも拘わらずそれが出来ない。来年の統一地方選と参院選を前に、6野党と会派の幹事長、書記局長が揃ったシンポジウムで「全国32の1人区で候補者を一本化する」と確認したようだが、本気で取り組んでもらいたい。

2018年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com