4181.2018年10月24日(水) 拉致された安田純平さん3年ぶりに解放

 昨夜11時過ぎに行われた菅官房長官の唐突な臨時記者会見にはびっくりした。3年前からシリアでテロリスト集団に拉致され、その後度々彼らに脅迫されているような写真や動画が国際社会へ公表されたフリージャーナリストの安田純平氏が、解放されたというニュースである。夫人や両親がホッとしたのか喜びの声が伝えられた。シリア戦線は今や泥沼化して解決の目途はまったく立っていない。今では多くの難民の産出国となって、移民問題でもヨーロッパ中に問題を投じている。安田さんは髭を伸ばしっぱなしで頭髪には白髪が混じり、痩せて捕らわれた3年余りの苦労が偲ばれるが、ふっと我が身を振り返って戦乱の地に想いを馳せる。

 私が捕まったのは、得体の知れないテロリストではなく、ヨルダンの正規軍であり、エジプトの警察だった。ヨルダンで軍隊に拘束された件では、アンマン市内は戒厳令が敷かれた厳しい状況下だったが、突然数名のヨルダン軍兵士に包囲されて身体に銃を突き付けられたのには、驚愕し暫し呆然としていた。次第に身体がガタガタと震えだし、ホールドアップしたまま通行人が注視する中を取り調べのために滞在ホテルまで連行された苦い経験がある。

 あの時捕捉されたのが、得体の知れないテロリストによるものではなく、れっきとした正規軍だったことで少しは安心出来たが、取り調べの後ホテルのロビーに出てきた時、偶々居合わせたテレビ朝日クルーが驚いて、そのままどこかへ連れられてズドンと1発やられたら、死体なんか出て来ませんよと警告的アドバイスを受けたことがある。

 ともかく見ず知らずの土地で不意に何者かに襲われたら、その恐怖たるや実体験のない人には、いくら言葉で説明しても分かってもらえない。今にして思えば、私にとっては生きた教訓とはなったが、こういう体験はもう2度とご免被りたいものである。

2018年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com