4160.2018年10月3日(水) 憲法改定の動きを放っておいても良いのか。

 昨日第4次安倍内閣の閣僚が決まり発表された。先般総裁選で安倍首相が3選されたので、その論功行賞や対立した石破元幹事長派への冷遇など、奢れる首相への不満や辛辣な声があちらこちらでこだましている。

 首相以下20名の閣僚の内12名が初入閣であるが、どうも新鮮味が感じられない。女性大臣は女性活躍相を置くほどアピールしているが、内閣改造の都度女性閣僚の数が少なくなっている。今回の改造ではその地方創生・女性活躍担当相に片山さつき氏を指名したたったひとりだけである。全般的に新内閣があまり芳しくない最大の原因は、麻生副総理兼財務相が居座っているせいであろう。とにかく昨年来森友・加計学園問題、財務省の公文書改ざん、事務次官セクハラ問題の直接、間接の責任者として責任を問われているにも拘わらず、これを一顧だにせず、大臣の椅子にしがみ付いている厚顔無恥ぶりとそれを許している首相の恥知らずのせいである。実際メディアからその点を突かれているが、巧妙に逃げおおせている。その麻生大臣が閣内に居残っていることが、内閣の空気を暗いものにしている。首相が麻生氏を閣内留任をいち早く公言したのは、前々から安倍内閣に協力した恩義へのお返しである。

 これからあと何年安倍内閣が続くか分からないが、目先に来年の地方統一選挙と参議院選挙があり、その後に首相が考えているのは憲法改定である。先日マレーシア首相に復帰した日本の理解者、マハティール氏が、日本が憲法改定を行い、軍事力を持つことに警告を発していた。

 国会議員の2/3以上を占めている自民党は、前のめりになって何が何でも憲法改定へ向かおうとしている。このまま放っておいて良いものだろうか。

 さて、夜のNHKニュースで興味深い話が紹介された。今から50年前ノーベル文学賞受賞者に川端康成が選ばれたが、実はその3年前にもうひとり日本人作家が同時受賞する話が進んでいたというのである。それまで文学賞はほとんどヨーロッパ人から選ばれていたが、もっと他の地域に広げるべきだとの声が高まり、その中でアジア地域から川端と谷崎潤一郎が候補者となって、スウェーデン・アカデミーから調査員が来日し、関係者に調査依頼した。日本人の考え方、文化観などを勘案して谷崎より若い川端を選ぶことは難しいと考え、その場合年長者の谷崎と川端を同時に受賞者とする案も考えられていた。しかし、その3年前谷崎は他界した。結局川端康成が受賞者に決定したが、こういう裏話が今になって表に出てくることが、何とも御伽噺的である。谷崎、川端ともにすでに故人となったが、もし生きていたとしたらこの裏話をどう思うだろうか。

2018年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com