4155.2018年9月28日(金) メディアの不公正なロヒンギャ問題報道

 今朝の朝日新聞のロヒンギャに関する記事を読んで愕然とした。朝日はまだ気づいていないのか、或いは知っていながら惚けているのか。後者であることは間違いない。昨年夏ミヤンマー(旧ビルマ)山中に住むロヒンギャ難民に対するミヤンマー軍兵士による殺害事件などについて、国連人権理事会が採択したミヤンマーの人道犯罪に対する非難決議をジュネーブとヤンゴン駐在の朝日記者が、その真因に触れることなく平板に伝えている。朝日はこの事件が起きた真の原因が、戦前植民地支配をしていたイギリスが、旧インド領(現在のバングラディッシュ領)からミヤンマー領内のアラカン山中へロヒンギャ民族を強制的に移住させたことが問題の火種であることを承知している筈である。にも拘わらず、このイギリスによる問題発生の責任に目をつぶり、昨夏ビルマ軍兵士がロヒンギャ民族を虐殺した事件以後の責任だけをミヤンマー政府に負わせようとする現状をそのままレポートするのは、真実を公正、公平に伝えるジャーナリズム精神に悖るのではないだろうか。この点については、今月3日付同紙「天声人語」の内容も同じ論旨だった。ミヤンマー政府に対してミヤンマー軍の行為はジェノサイド(大量虐殺)と決めつけていた。これに対して朝日新聞に歪んだ記事について疑問を呈したが、今のところ何のレスポンスも、反応もない。

 今最も糾弾されるべきは、事件の種を蒔いたイギリスと争いを公平に判断すべき国連の責任である。その加盟国に対して平等に対応すべき国連が、先頭に立ってミヤンマー政府を一方的に非難しているていたらくである。国連はその事件が起こった背景をきちんと精査し、当然イギリスの罪悪が明らかになるので、その時点でイギリスの責任を詳らかにして、まずイギリスに救済、支援案を提出させて、以降国連の監視の下にイギリスが中心になって他の国連加盟国が貧しいビルマに手を貸して問題解決に当たるというのが、最も解決への近道ではないか。

 朝日を始め他のメディアも問題の原点を追求し真実を報道して、現在報道される記事を読んだだけではビルマの行為が非人道的であると一般読者が誤解しがちの実態から解放してやるのが報道機関のなすべきことではないだろうか。

 現状のままイギリスの犯罪が公に明かされることもなく、ミヤンマーが自分たちとはまったく異なる民族を自国領内に居住させることを押し付けられることは、それこそ非人道的ではないだろうか。これではいつまで経っても問題は解決しないし、貧しいビルマ政府には解決する資金も手段もない。かつて世界を支配していたイギリス帝国主義の残り香を彼らの気まぐれで一方的に押し付けるのは、それこそ大国の横暴であり、非人道的所業ではないか。

 さて、今日驚いたことがあった。日経平均株価が一時、対前日489円もアップして24,286円に達して、実にあのバブル崩壊以来26年10カ月ぶりに最高値を更新したのだ。最終的には終値は対前日323円アップの24,120円だった。アメリカ経済の好況がその要因と言われているが、トランプ大統領の発言次第ではどうなるか分からない。投資家にとっては当分目が離せない状況だろう。

2018年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com