4153.2018年9月26日(水) 気がかりな今晩の日米首脳会談

 恒例の国連総会がニューヨークで開かれている。加盟国の首脳も国連に出席して一般討論演説を行っている。昨日夜(日本時間)安倍首相、トランプ大統領も演説を行ったが、トランプ大統領は相も変わらず「アメリカ・ファースト」を前面に打ち出していた。貿易赤字を理由に輸入赤字国を標的に徹底して輸入品目に高額関税を課すとしている。その最大の相手国が中国であり、すでに第3弾段階まで進んでいる。それでいながら本音がどこにあるのか分からないトランプ大統領は、演説で「株式相場は歴史的な高水準、失業率も50年ぶりの低さだ。大型減税も行った。国境で巨大な壁の建設も始めた。米軍はまもなくかってないほど強力になる。アメリカはより強く、安全で豊かになった」と貿易赤字は本当なのかと首を傾げるほどアメリカ経済の好調を得意になって喋っている。

 時により都合好く相手を煙に巻いては脅す論法で、世界中の嫌われ者となったトランプ大統領には哲学や倫理観が欠け、しっかりした政治観や経済感覚がなく、いつも場当たり的な言動に走っている。現在目の前にある関心事は11月に行われる中間選挙で勝つことだけである。従って傍目に努力しているというポーズを示して計数的な実績を上げればそれで良い。

 典型的な例として、貿易相手国に脅しをかけるように、不平等な協定により貿易赤字を背負わされていると嫌味を言いながら、国連での演説では、株式相場は歴史的高水準などと矛盾したことを言う。

 安倍首相とも一見友好ムードを見せながら本音は日本との貿易赤字の解消のために、公正、平等なディールなどと言っては、日本の自動車産業と酪農業を標的に厳しい攻勢をかける勢いである。最大の協議課題としてアメリカ国内への日本車の輸入関税を現在の2.5%から、一気に10倍の25%に値上げしようとしている。アメリカが脱退したTPPに留まっていたら自動的に9%に収まるものを、一方的な「アメリカ・ファースト」の愚策のせいである。

 今晩遅く日米首脳会談が行われるそうだが、安倍首相も好い顔ばかりしないで、トランプ大統領に対して安易に譲歩せず、言うべきは言うという毅然としたスタンスで話し合ってもらいたいものである。

2018年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com