4128.2018年9月1日(土) 財政再建になぜ真剣に取り組まないのか。

 昨日来年度の各省庁の概算要求額が公表された。当初の概算要求額は過去最大の102兆円後半と想定され、最終的な要求総額は5年連続で100兆円を超える。高齢化により当然福利厚生費は増えることが予想され、社会保障費の伸びにより厚労省の要求額は、今年度当初予算より2.5%も多く、31兆9千億円でトップである。これは性質上中々減額させることは難しいと思われる。

 新聞社説でやり玉に挙がっていたのが、防衛費である。何と対前年2.1%増の5兆3千億円である。北朝鮮のミサイル対策として陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の購入が大きい。ただ、防衛費は一般的に普通の人には見えないし、その是非を判断しにくい。その上アメリカから高い防衛資材や用具を購入する場合、アメリカの言い値で買わされていることで相当な経費が掛かることは間違いない。もう少し専門家を加えた検討会で公正な購入価格を打ち出すべきだ。いずれ財源として消費税値上げによる2%が見込まれているが、これは社会保障費を補うことに使われるとされているので、他省庁に豊かな財源は、支出を削減するより術がない。

 ここ数年自然災害の損傷で、国、自治体ともにその対策に頭を悩ませているところだが、国交省が堤防のかさ上げなど水害対策の強化と、文科省が公立学校のブロック塀や校長整備などに多額の予算要求をしている。前者は5千2百億円、後者には2千4百億円が計上されている。

 支出を抑えて健全財政を進めるには、財政再建をしっかり行うことである。以前橋本龍太郎内閣時代には選挙の都度財政再建が話題になり、各党とも自党案を提案し方策を探ったものである。それが昨今政治家から財政再建策について話が出ることがなくなった。すでに日本の累積財政赤字は、何と1040兆円で世界で最高の借金国である。これを政治家たちは進んで解決に取り組もうとしない。支出が減れば政策を行えず、選挙民から評価されないと考えているからである。

 しかし、このまま毎年予算が膨らんで行ったら、借金財政が行き詰ることははっきりしているし、次の世代がわれわれ世代の負の遺産を負わされ償っていかなければならない。政治家がダメなら、せめてメディアが問題を取り上げ、真実を国民に訴えて改善策を講じないと国家の破算を招きかねない。

 それにしても数字をごまかすことに慣れてしまった官僚を使って、政治家は景気の好い話だけしていれば良いのだろうか。

 数日前今年度の後期高齢者医療制度保険料の通知があったが、後期保険料として常識では考えられないような「ものすごい金額」が今年度分として加算請求されていた。あまりの加算額の説明が分かりにくく、いずれ区役所で説明してもらおうと考えている。こうして高齢者を益々生きにくくしているのも、愚かな政治家たちが財政再建に関心を持たないからである。

2018年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com