4124.2018年8月28日(火) ロヒンギャ問題に国連の不見識

 昨年夏以来国際的な問題となっているロヒンギャ難民問題について、国連人権理事会がミャンマー軍による少数派イスラム教徒ロヒンギャへの組織的な迫害が「人道に対する罪」とミヤンマー政府を非難する報告書を公表した。その中でミヤンマー軍幹部の責任追及、ジェノサイドの疑い、アウンサンスーチー国家顧問の無力について批判したとの記事が今朝の朝日に掲載された。

 本件については、先月の「知研フォーラム」誌341号に「ロヒンギャ難民はなぜ生まれたのか?」と題して寄稿し、その中で問題発生の根源は戦前イギリス植民地時代にイギリスが一方的にロヒンギャ民族を居住していた現在のバングラディッシュ領内から、ミヤンマー領内ラカイン州の山中に強制移住させたことにあるとイギリスの罪を強く非難したところである。同誌を読んだ知人からも理解し納得出来るとの声を聞いている。戦時中ミヤンマーは異民族をイギリスによって自国領内に強制的に押し付けられ、貧しい国としては今もその対応に途方に暮れているというのが実情である。私が拙稿で特に指摘したのは、国連の無理解と無力であり、無責任である。イギリスに対して自ら犯した罪滅ぼしに前面に立って救済活動に当たるべきだと説得し、そう仕向けるべきである。とにかく今日まで自らの悪行と無責任を頬被りしているイギリスの責任は重大である。今日までこの問題に目を向けずに放置してきた世界中のメディアにも大いなる責任がある。

 国連は知ってか知らずか、弱いものいじめをした加害者のイギリスの所業について責任を追及することなく、むしろ被害者である弱いミヤンマーを一方的に非難している点で、著しく公平性を欠いた対応をしている。大国の側に立ち、小国に手を貸すどころか痛めつけるこれまでの手法が、不見識な国連の限界と言われる所以である。このロヒンギャ問題は、イギリスと国連が先頭に立って解決に取り組むべきである。今のまま現在の当事国であるミヤンマーとバングラディッシュだけに解決を委ねていては問題は解決しない。

 さて、熱の籠った戦いで興味が盛り上がっているジャカルタのアジア大会で一昨日夜男子100m決勝が行われ、日本人として2人目の9秒台突入なるかと期待された日本選手団主将の山縣亮太選手は、惜しくも10秒00の自己タイ記録で3位だった。優勝した中国の蘇炳添選手は9秒92だった。ところが、山縣選手の記録は1000分の1単位で計測すると、9秒997で公式記録では100分の1秒単位に切り上げられて10秒00とされた。スピードとしては10秒の壁を破り9秒台だったが、記録としては10秒00にさせられたということになる。こういうチャンスはこれから何度あるか分からないが、実に惜しいことだと思う。山縣選手には、これに気を落とさず、捲土重来を期して欲しいと思う。

2018年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com