4096.2018年7月31日(火) アマチュア・スポーツに頻発するパワハラ

 アマチュア・スポーツにはどうしてこうもパワハラが多いのだろうか。縦割り組織内で主従関係が強過ぎるせいではないかと思うが、今年3月レスリングの五輪4連覇の伊調馨選手が栄和人監督からパワハラを受けたと報道され、世間を騒がせたばかりである。

 5月には、日大アメリカン・フットボール部選手が関学選手に危険なタックルをしてケガをさせ、そこに内田正人日大監督の指示があったことから、日大チームの今季の公式戦出場は認められていない。これら一連の事件について、日大側の説明が一般に納得出来るものでなく、日大は第三者委員会を設置し、その第三者委員会が昨日最終報告書を提出した。

 それによると第三者委員会委員長・勝丸充啓弁護士は、日大は大学の信頼を大きく失墜させた内田監督と井上コーチを懲戒解雇処分としたが、田中英壽理事長が危険タックルが社会問題化して以降公式に外部に対して何も発信しておらず、当事者意識が極めて希薄だと述べた。しかし、辞任を求めることまではしなかった。ただ、当の理事長は今日の臨時理事会で自発的に減給を申し出たが、公式な会見を行わないと語ったらしい。日大が置かれている現状と自らの立場というものがまったく分かっていない。元アマチュア相撲王者の田中理事長は、大学全体のことを考えるわけではなく、所詮相撲部OBの域を出ていない。日大に対する世間の信頼はこれからどうなるのだろうか。

 一番気の毒なのは、日大アメフト部の選手たちである。国内チームの中でもトップクラスのチームが公式試合が出来ないとするなら、ひたすら練習に励んでいる選手たちのストレスは相当なものだと思う。

 その日大アメフト問題解決がはっきりしない中で、また、新たなアマチュア・スポーツのパワハラ問題が大きな問題になりつつある。

 昨日突如公にされたのは、一般社団法人日本ボクシング連盟に対する告発状が関係者からスポーツ庁、日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ振興センター宛に、アマチュア・ボクシング連盟都道府県関係者、及び選手らから提出されたことである。主旨は、山根明ボクシング連盟終身会長に対する①助成金の流用、②金銭の授受、③審判不正問題などの疑惑につき告発したものである。

 権力を握った山根会長が強権体質で自分の思うように連盟をかき回し、自らスポーツマンらしからぬ不正を犯していたことを全国のアマチュア・ボクシング関係者が糾弾したものである。それにしても今日のエンタメ番組で暴露された山根会長の剛腕と私欲にはあきれるばかりである。

 特に驚いたのは、各地の大会へ出かける度に供応される豪華な待遇と、ボクシングの実戦経験が疑問視される会長父子が現場に口を出して、ロンドン五輪決勝で金メダリストの村田諒太選手のセコンドを強引に息子が務めたことであり、後日村田をして「相手選手の他にすぐ横にも敵がいた」と名セリフを吐かせたことである。会長が選手に試合をやりにくくさせていたのだから、出過ぎた行為と批判されて当然である。これも鈴木スポーツ庁長官が調査すると語っていたが、果たしてどういう結論になるのか、注目されるところである。

 それにしても女子レスリング、日大アメフト部、日本ボクシング連盟と名だたるスポーツ団体がどうしてこうもだらしない組織になってしまったのだろうか。

2018年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com