4034.2018年5月30日(水) 公開講座で新聞のもろもろについて

 今日駒沢大学公開講座で初めて受講した「デジタル時代の新聞ジャーナリズム」が中々興味深かった。講師は向井貴之・朝日新聞広報部主査で、大変分かり易く我々が普段あまり意識しない新聞の読み方について解説してくれた。「アタマ」とか、「カタ」という表現は寡聞にして知らなかった。また、時間の余裕がない時の読み方とか、記事の重要性の判断などについてプロから教えてもらった。いただいた資料も専門的で、かつ分かり易くしっかりしたもので、別の面で勉強の助けになると思う。

 ひとつ質問をしてみた。近年各新聞とも自社の社説をあまり重要視しなくなったのではないかという点についてである。思い当たるところもあるようで、確かに近年各紙ともかつてほど重要視していないようだと応えられた。私が小中学生時代は、社説はフロント・ページの「カタ」に掲載されていた。それが今ではかなり内面の頁に掲載されるようになった。最近新聞を読む人が減ったことと、若者が読まなくなったこととも関係があると言っておられた。いずれにせよ、向井講師の抽斗には、まだ興味深い話がたくさんあるようで来週以降が楽しみである。

 さて、向井講師の朝日新聞朝刊の連載小説が昨日最終回を迎え、ちょうど500回で幕を閉じた。「国宝」という長編のストーリーだったが、率直に言って個人的にはあまり面白い読み物ではなかった。作者は吉田修一で、この人の連載小説としては大分前に日経夕刊の「悪人」がある。これもあまり興味を惹かなかった。ところが、彼の作品は結構ヒットするようで私にはその理由がよく理解出来ない。「国宝」はヤクザのせがれが歌舞伎役者として花道を飾る筋書だが、歌舞伎について詳細に紹介され、恐らく歌舞伎ファンにとっては興味を惹く作品なのだろう。次の連載小説は、もう少し気楽で楽しい作品であることを願うより仕方がない。

2018年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com