4033.2018年5月29日(火) 関東学連、日大アメフト部に厳しい処分

 去る6日行われた大学アメリカン・フットボールの交流試合・日大対関学戦で日大選手が危険なプレイをして関学選手を負傷させた事件の影響が、今やフットボール界のみならず大学経営問題にまで発展してしまった。日大の初期対応の遅れと、ガヴァナンスの欠如を曝け出してしまったのだ。この事象で多くのことを知らされた。これほど世間に衝撃を与えた事件を起こしていながら、先日会見したマンモス大学の日大学長の説明は責任逃れが見られて説得力に欠けていた。大学管理上の最高責任者である大塚吉兵衛学長が、はっきりと応答せず、どこか毅然としていない。実は学長は理事会では理事長直下の常任理事5人の中に入っておらず、1理事にしか過ぎないことである。従って問題の当事者内田正人前監督が常務理事として学長の上位に位置付けられているのだ。大学本部がすぐに事態の収拾に腰を上げず、だらだらと今日まで来てしまったのは、そのような分かり難い組織のせいではないだろうか。学生数7万人を超えるわが国最大の大学ではあるが、対応の稚拙さはあまりにもお粗末だと思う。

 どうして天下の日大は、日大生に救いの手を差し伸べず、社会の非難に対して適切な対応が出来ないのだろうか。2,3の噂から察するところでは、大学機構の上部経営母体である理事会のトップ理事長以下に体育会OBが長年君臨し絶大の権力を握っていることが大きいそうだ。現在の田中英壽理事長は相撲部出身で学生横綱になり、アマチュア相撲日本一にもなった人物で、その絶頂期の活躍ぶりは知っている。その田中理事長が、ひたすらメディアからの取材を避け、夜の街で聞かれても他人事のような応答をして、身に降りかかって来た世間からの非難を盾となって取り除こうとの気持ちがまるで見られない。その背景には、50年前の日大学内闘争時に左翼系学生のストに対抗して体育会学生が身を挺して大学の「自治」を守ったと評価されて以来、大学当局と体育会組織とのつながりが強まり、田中理事長はその波に上手に乗って今日の地位を射止めたからだと言われている。大学の運営に直接携わらず、いかがわしい黒い右翼筋との関係もあると聞く。その忠義な子分が内田正人前監督である。日大の組織全体が泥臭い闇に包まれているわけである。日大に対する世間の目が益々厳しくなり評判が悪くなる中で、気の毒なのは一般の日大の学生である。

 そして、今夕関東学生アメリカンフットボール連盟が臨時理事会を開き、代表者が記者会見して日大、及び日大関係者に対する制裁処分を公表した。内田正人前監督と井上奨前コーチを連盟は最も厳しい「除名」処分とした。永久追放処分である。森琢ヘッドコーチは、2番目に重い「資格の剥奪」「登録の抹消」とした。危険なプレイをした宮川泰介選手と日大PHOENIXチームに対しては条件付きで「本年度の公式試合出場資格停止」が決定された。

 これで一応の結論が出されたが、これらの制裁に対してまだ日大本家には動きが見られない。理事長以下全理事は一体何を考えているのだろうか。ことはアメフトだけの問題ではなく、日大のガヴァナンスが問われているのではないか

2018年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com