4029.2018年5月25日(金) 米朝首脳会談中止と駒沢大学講座開始

 やはり中止か、というのが本音である。世界中から熱い視線を向けられていた米朝首脳会談が、結局中止ということになった。これまで約束を反故にするばかりで、信頼されていなかった北朝鮮の動向が注目され、噂に対していろいろさや当てがあり、果たして6月12日に予定通り首脳会談が開催されるのか、半信半疑の状態だった。

 しかし、今回の突然の首脳会談中止は北朝鮮が一方的に公表したものではなく、意外にもトランプ大統領が金正温委員長に宛てた書状で伝えられた。これまでにアメリカのポンぺオ国務長官が会談の準備のため2度も平壌入りして事前調整していた。両国ともにお互いの融和政策に向けて舵を切ったと見られていただけに失望感は大きい。お互いに相手国に注文を付けたり、非難したり、必ずしも友好的な会談へ向けた地ならしが出来ているわけではなかった。

 昨日北朝鮮は核実験場を爆破して廃棄するための約束を取り敢えず履行した。だが、これもアメリカに言わせれば、5カ国記者団の現場での取材は評価するが、肝心な国際監視団を現場に立ち会わせなかったことは、核廃棄の科学的証拠を得られないと指摘している。

 韓国・北朝鮮南北閣僚級会談を突然中止したこともアメリカの信頼を裏切った。その後シンガポールで予定していたアメリカとの準備会合を北朝鮮が無断欠席し、アメリカは連絡もなく待たされたと不快感を表していた。これらの不審行為がアメリカをして「信義誠実の深刻な欠如」と受け止めさせ、昨日の最終的な決断になったようだ。

 元々水が合わない両首脳が話し合いの機会を持つことが可能か、危惧されていたが、現実は最悪の結果となった。22日に最近の穏やかならぬ両国の空気を察してトランプ大統領の下へ駆けつけ首脳会談開催を促していた韓国の文在寅大統領は、気の毒にもピエロ役を演じた格好になってしまった。

 ただ、今回の首脳会談中止には、それぞれ思惑があるようだ。北朝鮮ペースで進められそうな流れにアメリカとしては、そうはさせじとの気持ちがあったようだし、北朝鮮はアメリカがまさか中止を申し出るとは思わず、かなりアメリカに対して嫌がらせ的な言動を示していた。それが証拠には、売り言葉に買い言葉の行動に出て来そうな北朝鮮が、遺憾の意を表しながらも「いつでも、どんな方法であれ、対座して問題解決する用意がある」と大人の対応を見せるとは、これまでの恫喝外交を進めて来た北朝鮮らしからぬ言葉である。果たして近い将来に両首脳が顔を合わせる機会が訪れるだろうか。

 さて、2008年の第1回マスコミ公開講座を駒沢大学で聴講するようになって以来今年で11年目になる。今年最初の講座に出席した。共同通信社の山田克講師が担当する「体験的ジャーナリズム論」を受講した。共同通信社の歴史と配信先の新聞社との関係について解説されたが、通信社と新聞社の記事の取り扱い方について私自身かなり誤解していた点があった。外信は別にして、共同が配信する記事を各新聞社ではそのまま転用しても「共同」とは書かないという。信濃毎日新聞の記事を例に解説されたが、地元の情報以外は同紙はほとんど共同通信から配信された記事であることに驚いた。外信でも外国の提携先の通信社名を記入しないとは、われわれ「ロイター共同」などの記事に慣れてしまっている世代には若干違和感があるくらいである。

 今年11月までだが、今年もじっくり勉強出来そうである。

2018年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com