4010.2018年5月6日(日) カール・マルクス生誕200周年

 昨日5月5日は、カール・マルクスが生誕して丁度200年に当たる。マルクスの郷里、ドイツのトリーアでは中国から寄贈された全身5.5m大の銅像のお披露目があった。偉大な社会主義思想の実践的学者として多くの著作を残し、社会革命に多くの示唆を与え、中でも著作「資本論」や、エンゲルスとの共著「共産党宣言」は、今日まで社会思想を学ぶ人たちばかりでなく、実践的な革命家にも高く評価されている。彼の革命思想は資本主義経済が発展しつつある中で大きな影響を与えた。昨年はロシア革命が成功してから丁度100年の節目の年となったが、社会主義の実践としては、ひとつの端境期というか、壁に突き当たっているように思う。社会主義革命、共産主義革命を成し遂げた国も、今では軌道修正したり、路線変更をしてマルクスが目指す革命思想を国家体制の中で活かしている国がどれほどあるだろうか。むしろそれらの国々は社会主義国家とは反対の方向に向かっているのではないだろうか。

 トリーアの銅像贈呈式で挨拶された中国高官がマルクスの革命思想を受け継ぎ、中国で革命を成し遂げ、今も社会主義国家として発展しているとフェイク・スピーチを行っていた。

 私の知る限りでは、今日社会主義革命を国家のテーゼとして現実的に活かしている国は、せいぜいキューバくらいのものだと思う。ソ連共産主義体制は崩壊し、残る社会主義国家は中国を措いて他にはないと、中国は考えているようだが、その中国は真の社会主義国家とは対極にあるものである。今の中国は、資本主義を超越して自己顕示欲にかられた習近平国家主席に率いられた帝国主義国家であると言っても間違いないだろう。

 1983年9月東西対立の時代に旧文部省の教員海外視察団の添乗員として、東ドイツ領のカール・マルクス・シュタットで教育視察を行った。ここは、かつてはケムニッツと呼ばれた工業都市だったが、東西分離後カール・マルクス・シュタットと改名され、東西対立崩壊後の1990年再び旧名ケムニッツに戻った。その時一番驚いたのは、マルクス記念館前の広場にあったマルクスの大きな頭の銅像だった。その礎石にはあの有名な「万国の労働者よ 団結せよ!」と書かれていた。マルクスとは格別関係のない都市なのになぜこのような名前がついたのか、労働者の多い街だったからだと思っている。

 近いうちに映画「マルクス・エンゲルス」を観に行こうと思っている。

2018年5月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com