人気グループ・サウンズ‘TOKIO’のメンバーのひとり、山口達也が女子高校生にセクハラ行為を犯し、先日謝罪会見を行った。これまで真面目に東日本大震災被災地を励ます活動を積極的に行ってきたのにやってしまった破廉恥行為の反動もあり、関係者に大きな衝撃を与えている。福島県では彼らのボランテイア活動のポスターがすべて撤去された。その後事件は不起訴処分となった。
今日午後グループメンバーの残り4人の記者会見が行われた。神妙な表情で質問に応える4人の口からお詫びと、山口個人に対する複雑な感情が披露された。彼らの心情も相当混乱しているように見えた。グループ結成以来23年間に亘って広範囲に活動して、年末のNHK紅白歌合戦にもデビュー以来毎年のように出演してきただけに、この先どうやって活動を続けて行くのか、大分迷っている姿が気の毒なほどだった。裏切った仲間への恨みと許してあげたい気持ちが交錯する中で今後の活動をどうするか決めかねているようだった。
この会見を観ていて思ったことは、やはり甘いなぁということである。4人もそれぞれ仲間の山口に対して、山口が‘TOKIO’に安易に戻れると期待しているような発言は甘いと言っていたが、山口ばかりでなく4人にもその甘さがあったと思う。2月に事件を引き起こし、3月に警察が取り調べたにも拘わらず、彼ら4人が事の重大さを知らされたのはほんの1週間前だということに怒っていたが、長い間寝食を共にしてきた間柄とはそんな程度のものだったのかと思うと同時に、そんなことに気が付かない方もむしろおかしいとも思う。
4人は冒頭の被害者への謝罪や、今後の行き方などについて比較的整理して自論を述べていたが、それにしてはどうしてこのような不祥事を防ぐことが出来なかったのか今ひとつ理解出来ない。グループで活動し存在感を示しても個々に活動することも多く、結局お互いに繋がっていた筈の紐がいつの間にかほぐれていたのだろう。必ずしもお互いのコミュニケーションが取れていなかったということだろうか。人気にも溺れてつい有頂天になっていたという側面はなかっただろうか。4人ともになるほどと思わせる発言をしていたが、ひとつ間違えれば、誰かが山口に取って代わってもおかしくないと思う。
‘TOKIO’の今後はどうなるのか、何とも言えないが、折角長い時間をかけて築いた人気と名声をほんの油断と甘さであっという間に失ってしまう。怖いことであり、気を付けなければいけないことである。まぁ我々凡人にはそんな心配は毛頭ないが、「人の振り見て我が振り直せ」と言われるように常に謙虚に反省することが求められる。別の意味でも常に「油断」と「心の甘え」だけは、気を付けるようにしないといけないとつくづく思った次第である。