昨日行われた朝鮮半島南北首脳会談は、終始宥和ムードに溢れていたが、事前のお祭り騒ぎに比べて中途半端でやや尻すぼみに終わった印象が残る。口の悪いトランプ大統領が珍しく「非核化という目標が示された」ことに勇気づけられたと金正恩委員長を持ちあげているが、どこまで本心か分からない。実際に成果はあったのだろうか。
結局今朝の新聞の論評を読んでみると65歳の文在寅大統領と34歳の金委員長の父子のような両首脳が署名した「板門店宣言」とは、これからのお互いの目標を書き連ねただけで、確約ではない。北朝鮮が「非核化を約束する」とすれば済むところを、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する共同の目的を確認」と長たらしく明記しただけである。具体策や核兵器の処分の方法や期間は記されなかった。かつて1991年の首脳会談の「南北非核化共同宣言」は実行されなかったし、2007年の首脳会談でも48項目の協力事業が目標とされたが、実現出来ていない。果たして昨日の板門店宣言にどれほど実現性があるのか、現時点では分からない。会談の前のお祭り騒ぎが単なるお囃子だけで終わらなければ好いと「部外者」の日本としては願うばかりである。
次の期待は5月から6月に開催されるとされる初の米朝首脳会談の成果である。
さて、今月初サッカー日本代表チームの監督を解雇されたバヒド・ハリルホジッチ氏が、昨日一方的に怒りの記者会見を行い、憤懣やるかたない気持ちをぶちまけた。解雇の理由は、選手たちとのコミュニケーション不足とされた。前監督としては敗戦の責任を責められるなら受け入れるが、全般的な選手とのコミュニケーション不足では納得出来ないというのが、敢えてメディアを通じて不満を訴えた利用のようである。ワールド・カップ開催まで残り2カ月に迫り、準備のための残り時間が少なくなって来た現在代表チームにとっては、前監督解任の原因となった選手とのコミュニケーションをどう取り戻しチームを立て直して、願望であるベスト16にまで食い込むことが出来るだろうか。
プロと学生チーム、外国人と日本人の相違はあるが、昨夜聞いた青山学院大陸上競技部の原晋監督のチーム統率力に比べると随分異質だと感じる。