25日北朝鮮から要人専用特別列車が北京へ到着し、要人はゲストハウスの釣魚台賓館へ入った。北京駅から厳重な警戒の下に宿舎まで車列が動いた。厳しい交通規制も敷かれて通行路は一種異様な風景だった。そのまま北京市内に3泊して習近平国家主席ら中国首脳らとも会見した要人は、今朝北朝鮮へ戻った。誰がいつ、何の目的でこのような異様な形で北京を訪れたのか想像するしかなかったが、今朝漸く中国テレビが公表した。想像されたように、要人とは金正恩・北朝鮮労働党委員長であることが正式に発表された。
中国と北朝鮮の間は一時の蜜月を終えて、最近ではあまり密接な間柄ではない。中国も知らされない間に5月末に米朝首脳会談がセットされたことが、北朝鮮の影武者を自認していた中国を焦らせ、中国としては北朝鮮に影響を与える国としての存在感を発揮すべく積極的に出たのではないだろうか。特にアメリカに対して優位に立ちたいとの思惑がある。一方で北朝鮮は現在中国からも経済制裁を受けて何とか中国と縒りを戻したいとの願いがあり、可及的速やかに中朝首脳会談を持ったというのが、当たらずとも遠からずだろう。
それにしても要人の名前なぞ事前に発表しても問題はないだろうに、なぜこうまでして金正恩という名を隠さなければならないのだろうかちょっと訝しい気がする。これだから中朝両国は、機密とか、隠密面でどうも闇の中にいるような陰湿なイメージを想像させるのだ。
株式市場では中朝再接近がどう受け取られたのか、よく分からないが、今日の日経平均株価は対前日286円も下がった。