昨日のトランプ大統領の対中関税制裁措置発表により、中国が報復措置を取ると公表したことでいよいよ貿易戦争の火ぶたが切られそうだ。カナダ、メキシコ、EU、韓国などが対象国から除外された一方で、今まで親密な同盟国としてアメリカに従ってきた日本は、制裁対象国と見做され、重い関税を課せられることになった。
梯子を外されたとか、袖にされたとか、恨み節が聞かれるようだが、外務大臣を始め外務省、及び経産省などの対米交渉の当事者がしっかりアメリカと話し合っていなかったというしかない。日本はアメリカを信頼し過ぎて裏切られたということを肝に銘じて、これからはアメリカに対して言うべきことはどんどん言い、聞けない話にはノーと言える毅然とした論理と姿勢が大事なのではないだろうか。それでなければ、また同じような煮え湯を飲まされることになる。
アメリカの裏切りには、許せないものがあるが、今後はふんどしを締め直し、甘い顔をしないで本当の意味の日米対等の同盟関係を改めて構築すべきである。
それにしてもお坊ちゃん安倍首相は、あの裏切り者のトランプの口車に乗せられ、好い気になって一緒にゴルフをプレイして悦に入っていたが、やはり一枚上手のしたたか者・トランプ大統領に出し抜かれたのだ。
さて、お隣の韓国では、李明博・元大統領が大統領在任中の収賄、職権乱用などの疑いで逮捕された。昨年3月には朴槿恵・前大統領が逮捕されたばかりである。同じように逮捕された元・前大統領はこれで4人目であり、そのうち私よりも10歳も若かった盧武鉉氏は自らの命まで絶っている。どうして一国の最高権力者だった人物がこうも次々と逮捕、収監されるような惨めな事態になるのだろうか。韓国の世論調査によれば、法による厳正な処罰を求めるとして、「汚職と不正腐敗にまみれた過去9年が明らかに幕を下ろした」と歓迎の報道をしているようだが、彼らを選んだのは韓国国民であり、彼ら自身にも大きな責任があるのではないか。移ろいやすい国民の気持ちが、果たしていつも正しいとは必ずしも言えないが、後追いのように正義が前面に出されて、その一方では常に国民世論が最大に評価されるというのは如何なものかと思う。
それは今日の日韓関係でも取沙汰されているように、日韓政府の合意を国内世論に押されて韓国政府が踏みにじるが如き振舞いは、外交場面では国際的に通用しない。日韓両国間の相互協定を反故にして自説をゴリ押しする行動によく表れている。中国、ロシア、北朝鮮に劣らず、隣国韓国との付き合いも難しくなってきた。