毎年今日3月23日は高校23組(2年3組)クラス会の日である。今日は以前から一度会いたいと思って昨年メールでお誘いをしていた中西準子さんが出席してくれた。卒業後初めて会ったが、実に61年ぶりである。高校時代女子生徒数が少なく、その中で彼女は成績優秀で元気も良く目立っていた。今日は同級生50人中13人が出席したが、彼女の隣席で久しぶりにいろいろ話をする機会を得られた。茨城県つくば市にある国立研究開発法人・産業技術総合研究所名誉フェローで、同時に横浜国立大学名誉教授で工学博士でもある。我々クラスメートに比較して彼女が卓越しているのは、彼女が高校の同窓生であるノーベル賞受賞者・根岸英一博士や、指揮者・大野和士氏とともに国の文化功労者に選ばれたことである。この3月で大分忙しさから解放されると言っていた。
お父上が上海の東亜同文書院を出られた社会運動の闘士であり、戦後長らく日本共産党参議院議員として活動されていた。最近になってかつて上海市内の魯迅公園の近くに居住していた頃の住居が分かったので、近いうちに個人的に訪れたいと言っていた。彼女は英語の成績が優秀だったので、つい文系と思っていたが、理系に進んだ。今日話の中で自分自身も文系だと思っていたが、ある時から理系に進むようになったようなことを言っていた。父上のご経歴から推測しても、文系路線を進むものとばかり思っていたが、今日図らずもご本人からその経緯を聴いて納得した次第である。
ただ、キューバの社会主義については随分懐疑的なことを言っていたので、一応知っている限りキューバが最も社会主義国家らしいと話し、一度キューバを訪れて自分の目で観察することを勧めた。幸いミャンマーのロヒンギャ難民については、同じ意見だった。そもそもロヒンギャ問題は、イギリス植民地時代にイギリスが、旧インド領(現バングラディッシュ領)からミャンマー山中のラカイン州へ強制移動させたことが問題の発端であり、メディアがもっとイギリスの惨い植民地政策について糾弾する報道をすべきだとの見解では一致した。
長い間お会いしたいと思っていたので、その望みが叶えられ気軽に話し合い楽しいひとときを過ごすことが出来た。中西さんの今後益々のご活躍をお祈りしている。中西さん、ありがとう。
さて、今日アメリカで2つの大きなニュースがあった。ひとつは、すでに米紙でスクープされていたが、現実に外交と安全保障を取り仕切っていたマクマスター大統領補佐官を解任し、後任に元国連大使ボルトン氏の起用を発表したことである。トランプ政権の迷走ぶりを象徴するような人事には首を傾げるが、後任に指名されたアメリカ第一主義と強硬派のボルトン氏がまた悩みの深いところである。トランプ政権発足後、この補佐官職はこれで3人目である。トランプ氏という大統領は、いつも感情が抑えられない激情タイプで、気持ちが変わり易いひとである。
もう一つのニュースは、気持ちの変わり易い大統領が、知的財産の侵害に関する通商法題301条に基づき、中国に対して関税などの制裁措置をかける大統領令に署名したことである。ざっと約6.3兆円の輸入品に関税をかける。これに対して中国政府は、アメリカ製品に報復関税をかけると応答した。米中貿易戦争の懸念が高まっている。実際中国が大量購入するボーイング社の航空機をヨーロッパのエアバス社へ変更したり、アメリカ産大豆購入を止めてこれもブラジルやアルゼンチンから買ったら、アメリカ経済も苦しい立場に追い込まれる。この措置は、日本に対しても例外ではなく、アメリカが緊密な日米同盟なんて思っていやしないことが分かる。アメリカ追従外交の結果が、トランプ大統領の「安倍首相は素晴らしい友人だが、これまでアメリカを利用してきた。そんな日は終わった」との本音に表れている。対米外交もそろそろ考え直すべき時ではないか。
トランプ声明を受けてニューヨーク株式市場を始め、世界中に株価下落の影響が表れている。日経平均株価も一時1,000円超を下げたが、対前日比終値は974円の大幅な下落だった。これから各国はいかなる対応をしてこの経済危機を切り抜けるのだろうか。