トランプは狂ったのか? 過日一般教書演説では比較的大人しかったアメリカ大統領だが、昨日ついに本性を顕わした。いま世界的な流れとなっている核軍縮への動きを止め、核戦略の見直しをすると発表したのである。端的に言えば、オバマ大統領が目指した「核なき世界」の理想を放棄したのである。それどころか非核攻撃に対しても核攻撃で報復するために、爆発力を抑えた小型核兵器の開発も明らかにした。
第2次大戦後世界は軍拡競争を続けた挙句に、超大国アメリカとソ連があまりにも過大な投資と核戦争の妄想に疲れ果て、話し合いの末、漸く核開発に終止符を打った。その後世界の核弾頭の数は年々減り、一時世界で7万発もあった核弾頭が近年は1万発台にまで減少した。今では核保有国が所有する核弾頭は、ロシアの7000、アメリカ6800、3位のフランスでさえ300発と言われるくらいロシアとアメリカの核保有数が圧倒的に他国を凌駕していた。今アメリカは、保有する戦略核は都市を全面的に破壊するには強力過ぎて実際に使用することは難しいと考え、小型で使いやすい新型核兵器の開発に乗り出すという。身勝手な説は屁理屈でしかない。長崎に投下された原爆(推定約20㌔トン)よりも威力の小さい5~6㌔トン級の小型核兵器を開発すると見られている。特に一昨年ロシアがウクライナに侵略した際の戦術を警戒している。
このトランプ戦略は、昨年「核兵器廃絶国産キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受賞した流れに水を差すもので、恐らく被爆者団体を始めとして世界中から大きな反対が出てくるだろう。中でも一番がっかりさせられたのは、唯一の被爆国である日本政府の対応である。早速河野太郎外相は、同盟国への関与を強化するとしてトランプの見直し論を高く評価した点である。相変わらずのアメリカべったりである。馬鹿も休み休み言えと言ってやりたい。アメリカが現実に核攻撃を考えた時点で、沖縄を始め日本各地が火の粉を被るのは目に見えている。日本政府は被爆者らの期待を裏切り続けているが、ここへ来て河野外相のかつての発言からは考えられない右傾化したオツムには、憤慨し呆れるより術がない。これからトランプと安倍一派の核戦争マッシグラな姿勢はどうしたら止めることが出来るのだろうか。憂鬱でならない。
さて、妻の友人の紹介でチベットの音楽を楽しむ食事会に出かけた。在日チベット人のチベットの文化、習慣に関する珍しい話と、日本でチベットの歌姫と言われている在日チベット人ソナム・ギャルモさんの歌声を聴き、チベット料理をいただくことが主目的である。チベットには10年前に訪れたが、ホテルで歌を聞いたことはあるが、ソロでじっくり聴くのは初めてで歌姫と言われるだけに中々の美声である。
チベットの正月は今月16日だそうで、正月は親戚、家族で贈り物をしてお祝いするそうだが、昔の日本と同じように正月になると1歳年を取る。つまり、年齢は数え年が習慣だそうである。珍しいチベット料理をいただきながら、寛いだひとときを過ごすことが出来た。
JAPAN NOW観光情報協会の月例のセミナーに来てもらって、歌姫の美声を聞かせてもらったら好いかなと考えている。