このところコインチェックという仮想通貨取引所が、「NEM」という顧客の仮想通貨を流出させ俄かに大きな問題を提起している。流出した金額が約580億円というのもすごい。若い経営者は損失を与えた投資者には、自己資本で賠償すると言っているが、本当だろうか。あっという間に外部から忍び寄ったハッカーによって秘密の扉をこじ開けられ、巨額の金額が奪われたというから油断ならない。こういう賭博性の強い市場にはまったく関心がないので、実態がよく分からないが、マネーロンダリングに使用される恐れがあるらしい。
最近テレビを観ていて若い人たちが、仮想通貨は黙ってお金を稼ぐことが出来ると喜々として話していたり、若奥さんらが夫がいつ失職するかも分からないので、貯金をしておく必要があり、それには仮想通貨は都合が良いと思ったなどと随分気軽に喋っていた。仮想通貨がまるで濡れ手に粟とでも思っているようだ。彼らは儲かることばかり考えているようだが、そんなに甘いものではないと思い知った方が好い。実はこれらの発言を聞いて仮想通貨についてもう少し慎重に考えた方が良いと思っていたところだった。どうも現代の風潮であろうか、あまり物事を深く考えることもなく、自分に都合の好いように受け取る節がある。実体のないものを安易に手に入れようとする傾向があり、先行き心配である。仮想通貨なんて賭博みたいなもので「君子危うきに近寄らず」が無難である。
それにしても金融庁はこの問題をこれまで野放しにしておきながら、この危機に際して業務改善命令を出したようだが、少し遅すぎるのではないか。加えて、国際社会からは、日本は資金洗浄対策が遅れていると見られているようだ。急いてはことを仕損じるというが、すでに遅れているし、賭博性の強いものに関しては早めに徹底的に監視することが必須ではないか。万事にどうものろいようだ。
さて、11月末に亡くなられた元共同通信社編集主幹の原寿雄氏を偲ぶ会を3月に行うとのご廻状が昨日回ってきたと思ったら、今朝の朝日にその件について公告が掲載されていた。都合がつけば行ってみたいと思っている。