3912.2018年1月28日(日) アウシュヴィッツ収容所開放日

 うっかりして失念するところだったが、実は昨27日は昨秋訪れたアウシュヴィッツ収容所が解放された日で、解放されて今年73年になる。収容所では当時の収容者が集まり犠牲者のための慰霊祭を行っていた。解放された収容者の中で今や生存者は少ないと思うが、テレビで観たひとりの生存者の言葉が胸を打つ。実際その場にいた人には想い出したくない場所だと思うし、訪れた人にとっては目を背けたくなる場所である。負の世界遺産として登録されているが、人類にとって恥辱的な場所として、反戦、反差別主義のためにもいつまでも保存、管理され、多くの人が訪れることを期待したい。

 さて、またまたトランプ大統領の発言が物議を醸している。ダボスで条件さえアメリカに有利に修正されるならTPPに復帰しても好いなどと当事国を舐めるような発言をしていたが、地球温暖化にブレーキをかけるパリ協定についても、アメリカに有利なら脱退を取り止めても好いとまで述べた。パリ協定はアメリカが離脱を宣言したが、取り決めにより離脱は再来年11月になる。だが、ここへ来てトランプ大統領の無節操な言動により、自分たちにとって条件さえ良ければ、元の鞘に収めても好いなどとふざけたことをいうのも、身勝手な言動が世界中を呆れさせて「アメリカ・ファースト」が、「アメリカ・アローン」になり孤立化の恐れが見えたからではないか。これほど世界を空気銃で抑え込もうとする傲慢さにはつける薬がない。

 ところで、今世界で徴兵制度のある国は、全体としてそれほど多くはない。意外にも永世中立国のスイスにも徴兵制度はあるが、アメリカ、カナダ、イギリス、フランスなどの先進国にはない。ところが、フランスのマクロン大統領は最近になって徴兵制度の必要性を唱え出し、フランスでも短期間ながらも徴兵制度を敷く考えのようだ。そこには、テロの横行に国民として結束して対応するためとの大義名分があるらしい。わが国でも以前に徴兵制度を口にした愚かな国会議員がいたが、あまりに反発が強くそそくさと引っ込めた。だが、気を許しているとまたぞろ憲法改正論議の後に、条件付きで徴兵などという制度が議論されることがないとは言えない。それほど今の沖縄の様子を見てみると、駐留アメリカ軍の撤退と引き換えに、憲法9条に自衛隊を明記し、そのうえで遠からず徴兵制度採用を持ち出して来ないとも限らない。それほど現在の安倍政権は腹に一物あると考えた方が良い。

 フランスの徴兵制度についてもどんな内容か少しチェックした方が良いと考えている。現時点で考えられているのは、18~21歳の若者が対象で、期間は3カ月ということだから、他国の2~3年の徴兵期間より大分短い。それでもこういう制度は、あっという間になし崩し的にエスカレートするので目を離すわけにはいかない。それにしてもこんな戦時下を思わせるような嫌な制度が少しずつ世間の目に触れるようになるとは、恐ろしい世の中になったものである。

2018年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com