元旦早々金正恩・北朝鮮労働党委員長が新年の辞で、来月開かれる平昌五輪へ参加しても好いと述べたことから、とんとん拍子に話が進み9日に南北高官協議が開かれることになった。これにより両国間外交関係は少し前進するのではないかと思う。これについては北朝鮮が毎春行う米韓合同軍事演習の中止を求めていたが、韓国はアメリカに対して一時延期を要請し、アメリカもこれを渋々了承し実現することになった。内情は韓国の文在演大統領は待ってましたとばかり直ぐ実現に応じる一方で、アメリカにとっては北朝鮮に対して圧力を課している現状から積極的になれない。対米追従の日本政府もこの協議に反発している。もし、韓国と北朝鮮間の外交が改善されるなら、それが例え北朝鮮にとって歓迎すべきことであろうとも、今日までの対北戦略上日米両国にとっては好ましからざる事態となる。韓国としては、本音は北朝鮮と対話を復活させ、現在実行している米韓合同演習を縮小したいという気もある。アメリカ政府は一時延期を了承したが、腹の中はあまり穏やかではないようだ。さあこれから南北朝鮮はそれぞれどう動くだろうか。
時恰もトランプ大統領の言動、私生活に関する暴露本‘FIRE AND FURY’(炎と怒り)が、大統領サイドの出版中止要求にも拘わらず、出版社がこれに応じず前倒しで出版され、在庫が払底するほどの人気である。一時は影の大統領と揶揄されたバノン元首席補佐官が洗いざらい著者に情報を漏らしたものと見られている。
いずれにせよトランプ大統領にとっては踏んだり蹴ったりで、内外ともに反対勢力からの抵抗や非難が目立つ。かつて就任1年目にしてこれほどの非難や、反撃を受けた現職の大統領はいなかったのではないか。トランプ政権の行方は益々前途多難だと考えざるを得ない。
さて、昨日将棋の永世七冠・羽生善治氏と、囲碁で2度目の七冠独占を果たした井山裕太氏への国民栄誉賞授与が決まった。将棋も囲碁もやらないので、2人の偉業がどれほど価値のあるものかあまり良く分からないが、それでも並み居る勝負師が群雄割拠する中で2人ともにタイトルを独占するというのは、並大抵の力ではないと思う。偶々羽生氏はごく近くの同じ町内、深澤1丁目に住んでいる。滅多に見かけることはないが、古い感覚で言えば、「おらが町のヒーロー」と呼んでもおかしくない。