3889.2018年1月5日(金) アイルランドという懐かしい国

 不幸な事件だが、昨日アイルランドのダンドークで1人の日本人男性が道路上で何者かに刃物で刺され殺害された。他にも男性2人が負傷した。ヨーロッパでも比較的治安の好い土地柄であり、どうしてこんな残虐な殺人事件が起きたのか分からない。付近の住民も不安で過ごしているようだ。通り魔事件のような印象だが、警察はエジプト人容疑者の若い男を拘束したという。

 普段日本ではアイルランドについては、サッカーやラグビーの試合ぐらいしか伝えられないくらい目立ったニュースがない。そんな国で日本人が殺害されたというショッキングなニュースに驚いている。

 実は、1992年9~10月の1カ月間に亘り旧文部省教員海外派遣団で全国から参加の19名の先生方のお伴をしてドイツ・ケルン近郊のリューデンシャイト、アメリカ・ミネアポリス近くのビリングス、そしてアイルランドの首都ダブリン近郊のダン・レアラを訪れ、ここに5日間滞在し、学校などの教育施設を見学したことがある。

 アイルランドにとって海を隔てた目の前のイングランドは、近くて遠い国で歴史的な経緯は別にして意外にイングランドやスコットランドとは異なる面が多い。イングランドではほとんど英国国教徒だが、この国は圧倒的にキリスト教徒が多い。国のリーダーは首相ではなく大統領である。言語も主に英語とケルト語(アイリッシュ語)の2か国語が公用語である。

 このケルト語というのが分かり難い。名前のような固有名詞の発音は、本人に聞かないと分からないと土地の人が言っているくらいである。そもそもダン・レアラ自体も‘Dun Laoghaire’というややこしいスペルである。レストランで食事をしていると入って来る家族連れは大体子どもを3人以上連れていた。宗教的な理由と子どもを増やす優遇策が功を奏していると聞いた。ダブリンでは「ギネス記録」のギネス・ビール工場を見学もした。ガリバー旅行記を書いたスイフトや、オスカー・ワイルドら世界的作家を産んだ土地でもある。

 あれ以来アイルランドを訪れたことはないが、今でもふっと思い出すことがある。あんなに治安上も安全だと思われた土地で、殺人事件が起きるとは残念でならない。

 今では視察団の中で年賀状の交換を続けている先生は、たった1人になってしまったが、先生はこの事件をどう思っているだろうか。

2018年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com