3869.2017年12月16日(土) 来年度税制大綱決定、増税へ

 10月に行われた衆議院選挙で大勝した自民党は、その余裕からかここで税制大綱を決定し、主に個人を対象に増税を考えている。財政改革とは口癖のように言うが、一向に実が上がらない国の財政事情の下で、年々国の借金は累積される一方である。政府は財政改革を本気で行おうとせず、またまた安易に増税を考えているのだから好い加減してくれと言いたい。

 今度の税制大綱の内容を見て目につく「国際観光旅客税」は新たに創設するものである。出入国者数が伸びているのに便乗して、もらえるところからいただこうとの安易な発想から考え出されたものだ。その他にもうひとつ創設された新税がある。「森林環境税」というのだそうだが、これまで話題にも上っていなかった抜き打ち新税である。国民の誰しもが呆気に取られている間に法制化して、全国民から一斉に徴収しようというもので、これまで関係者は密かに機会を狙っていたのであろうが、いかにもだまし討ちのような陰険なやり方で勝利に酔っている自民党が考えそうなことである。これは住民税に1人当たり年間千円を乗せて課税しようというのである。名前から考えて森林を守る資金なのだろうが、どうも徴税の主旨が理解出来ない。これも課税の方法としては強引だと思う。

 所得税の見直しでは、個人向けには年収850万円以上の勤め人、年間2400万円超のフリーの人、年金所得が1千万円を超える年金所得者は増税となるが、それらには関係ない私は幸いにも増税からは免れることが出来る。また、医療費が現在の1割から2割負担になるようだ。後期高齢者でもあるので、これも何とか来年度は免れそうだ。国の医療費負担が限界に近付きつつあるので、早晩後期高齢者の医療費も厳しくなってくるような気がする。

 一番辛いのではないかと気になるのは、生活保護世帯への生活扶助費が来年度から引き下げられることである。厚労省の報告では、生活保護を受けている世帯は全国で約150万世帯と言われる。その内高齢者世帯が半数強である。人数にして全体で212万人だそうだが、彼らに一様に生活扶助費の減額を迫ることになる。親1人、子2人で都市部に住む世帯では、現行基準月額が15万5千円から14万5千円か、14万4千円へ支給額が値下げされる。65歳以上の高齢者の都市居住者の場合は、7万9千円が7万3千円か、7万4千円に下げられる。これは今後も続けられ、減額される一方ということである。これでは彼らは年々厳しい生活を強いられる。高収入者に対して増税したり、生活扶助費を削減するなら、政治家にもやたらに与えられている月額歳費やそれ以外の経済的特権についてももっと厳しくメスを入れるべきではないかと思う。

 さて、昨日の国連安保理事会で、北朝鮮に対して条件を付けずに対話すると噂されていたアメリカのティラーソン国務長官は、出席した北朝鮮の国連大使に向かって強気に核放棄を要求し、北朝鮮がこれに反論した。今日の朝日夕刊にはトップ記事扱いで「米長官、圧力路線へ修正」と書かれていた。ティラーソン氏自身も先日来の発言に疑問を持たれていて責任感の所在や国務長官としての権威がない。どうもアメリカの高官らの節操のない言動が些か気になる。

2017年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com