毎年2度に亘って恒例となった上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会がいつも通り浅草公会堂で行われた。毎年夏冬に開かれる度に学生時代のゼミ仲間が、ゼミ出身のチェリスト赤松晋さんを応援がてら鑑賞に出かける。今日も妻と連れだって出かけた。仲間たちと奥さんらを含め20名ほどのメンバーが、クラシックの名曲、シューベルトの「ロザムンデ序曲」、「交響曲第7番未完成」、メンデルスゾーンの「交響曲第3番スコットランド」の演奏を楽しく鑑賞した。
このオーケストラはプロではないが、メンバーであるセミプロの人たちが日頃から練習に努めて年に2度その成果を発表される。1988年には台東区と姉妹都市である音楽の都ウィーンで演奏したというから見上げたものである。これまでの努力は大変なものだったと思う。赤松さんも最年長になって若者と同じような肉体的負担を背負いながら、チェロにメロメロの気持ちを込めて我々の期待にも応えてくれる。いつまでこの素晴らしいオーケストラ活動を続けられるか何とも言えないが、無責任なゼミ仲間は未来永劫に続けてもらいたいと願っている。次回は7月1日に決まったようだ。まだ楽しみは続くことになる。
演奏会が終わってから浅草で会食会に参加した。気の置けない仲間と酒を飲み交わしながら弾む会話は何物にも代えがたい喜びである。この席で私も気まぐれに9月に訪れたアウシュヴィッツ収容所や「命のビザ」の杉原千畝レガシーについて話をした。気張らずに自由に話せることが何といっても素晴らしい。これもこのようなアトホームなゼミの雰囲気を残していただいた恩師飯田鼎先生のお人柄によるものだと思っている。良き恩師と良き仲間に恵まれて幸せな学生時代と社会人人生を送れることは、実に幸せなことだとひとしきりその想いを噛みしめている。
来年の赤松オーケストラは、果たしてどんな名曲を演奏してくれるだろうか。今から楽しみに待ちたいと思う。
今日は会場へ行く前に洒落たうどん店で腹ごしらえした後、雷門周辺を暫しぶらついた。これまであまり気にも留めなかったが、やはりここはかつて東京、江戸の商業の中心だったところだけに老舗のお店がたくさんある。食べ物店にしても蕎麦屋、うどん屋、とんかつ屋、寿司屋、蒲鉾店、海苔店など、狭い路地裏にまでしぶとく生き残って、それなりの存在感があることに感心した。アーケード街では、古い日本の玩具屋で、紙細工や竹細工商品などを売っていて、つい孫用にいくつか買い求めてしまった。改めて浅草の魅力を再認識した次第である。