今日午前宮内庁で皇室会議が開かれ、今上天皇の退位は2019年4月30日とすることで意見をまとめた。正式には来週開く政府閣議で決定する。昨年8月初めて天皇が年齢的、健康上の理由から公務の負担軽減のお気持ちを表明され退位を仄めかされてから、政府は憲法が政治的関与を禁じていて退位の規定はないこともあり、その点を配慮しながらどう取り扱うべきか試行錯誤のうえで漸く方向を見出した。退位の特例法には、「国民は陛下のお気持ちを理解し、これに共感している」と書き込み、そのお気持ちを受けて国民の総意が形成され、そのうえで法整備したとの論理を作り上げた。中々難しいステージ作りである。新しい年号は来年秋ごろに決まるようだ。
今上天皇には皇后ともどもあまりにも公務が多すぎるのではないかとかねがね気にはなっていた。皇室関係の行事などはほとんど皇室典範に基づいて行われる。これから1年余を経て5月1日現皇太子が天皇となられ、新しい年号になる。平成はちょうど30年で幕を降ろすことになった。
幸いにして天皇・皇后両陛下には、国民から根強い信頼と敬愛の気持ちが寄せられている。これは日頃から国民のことを念頭に公務を全うされている両陛下のお姿から国民が感じ取ったものだと思う。
いよいよ平成もあと残り1年5カ月となった。
さて、来る9日ノルウェイのオスロで今年のノーベル賞授賞式が行われるが、この授賞式に毎年出席していた米英仏大使が今年は出席しないことになった。今年は、核兵器禁止条約成立に貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に受賞されるが、これに異議を唱えた、まるで子どもじみたデモンストレーションだと思う。核保有国の中では、ロシアとイスラエルを除いてすべて欠席することになった。条約締結には日本はアメリカの核の傘の下にいることからアメリカに忖度して参加しなかったが、ノーベル平和賞授賞式にはノルウェイ駐在大使が出席する。
ノーベル平和賞という世界的にも誉ある授賞式に、いくら自分たちの立場上気に入らないからと言って欠席するとはあまりにも浅はかで狭量だと思う。