3839.2017年11月16日(木) ジンバブエで軍事クーデターか?

 世界でも最高齢の支配者と言われている93歳のジンバブエのムガベ大統領が、実質的な軍部クーデターにより自宅軟禁の状態にある。年齢から考えても肉体的には大分弱っているように見えるが、長年権力を握っているとおいそれとは他人にその権力を手渡したくないようだ。

 1980年イギリスから独立して以来、首相、大統領と権力を独り占めにして国を支配してきた。良かれと思って実施した農民のための農地改革は、白人農場主から農地を強引に接収したやり方がまずかったようで、これに猛反発した欧米諸国が経済制裁を実施して主産業の農業が一気に崩壊した。テレビを観ていて驚いたのは、天文学的なインフレにより一時200億%の上昇率でインフレが昂進し、国民が大きな札束をいくつも持っている姿を目にしたことである。これからこの貧しい国はどうなるのだろう。立派なジンバブエ国大使館がわが家の目と鼻の先にあるので親しみがある国であるし、25年前に南アフリカのヴィクトリアの滝を訪れた時にも国境の橋を歩いてジンバブエへ渡ったことを想い出す。そんな素朴な国が1人の独裁者の権力欲により、国を惑わせてしまったようだ。当分気になるニュースである。

 さて、10日の本欄に取り上げた新税「出国税」について、政府・与党は2019年1月か4月の導入を本格的に検討しているらしい。その名称も「観光促進税」と呼ぶそうだが、何を以ってこういうふざけた名称にするのか首を傾げたくなる。普通の感覚では、新たに税を課せられれば拒絶反応が表れ、身を引くものだ。つまり促進にはならないと思う。それが、政府役人どもには分からないのだから、どこまで本気になって国民の気持ちを「忖度」したのか疑問である。

 取れるところから取る。こんな安直な考えで課税するのなら旅行者にとっては堪ったものではない。納税者の気持ちがまったく分かっていない。昔から旅行業や観光業は、良いにつけ悪しきにつけ役人に苛められ狙われていた。観光は生活になくてはならないものではないから国家経済にとっては斟酌するには当たらないというのがこれまでの本音である。まだ、国家財政が酷かったころ、海外旅行は財政的に無駄との考えで、引き締めばかり注力し、海外旅行者は国家財政の無駄遣いをしていると公言していた。外貨持ち出しにしても極力多額を持ち出さないようブレーキをかけていた。それがどうだろう。訪日外国人観光客が増え外貨が入るようになるに従い、旅行業並びに観光業は国家にとって重要事業と言い出し、それにも拘わらず、それまで地道にインバウンド業の拡充に努力していた旅行業界の頭上で何事も決めている状態である。自分たちが路線を敷いたから旅行業が軌道に乗ったと言わんばかりの傲慢さである。

 日本人のみならず、すべての日本出国者から1人当たり千円を巻き上げようとの謀略により、年間ほぼ400億円を手に入れる腹積もりのようだが、トランプ大統領の娘イヴァンカさんの活動にポンと50億円を投資するような感覚で新税で得た収入をドブに捨てるような消費はやらないでほしいものである。

 いずれにせよ役人のずる賢いアイディアを簡単に引き受け、法案を成立させる政府には、分かりましたなんて素直に納得出来るわけがない。

2017年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com