3838.2017年11月15日(水) 疑念の加計学園獣医学部、来年4月開学

 やっぱりそうかというのが、国民のほとんどの受け止め方であろう。長々と世間を賑わせていた愛媛県今治市に建設中の加計学園・岡山理科大学獣医学部開学認可の件である。これまでも加計孝太郎理事長と安倍首相との親密な友人関係から、国家戦略特区構想の一環として甘い審査基準の下に開学が認められるだろうと予想はされていた。官邸周辺や文科省役人の首相への忖度によりことは現実となった。疑念はあちこちから噴出している。来年4月に開学のようだが、教えるべき教員は賄えるのか。教育水準は維持出来るのか。全国の大学獣医学部の中でも最も学生数が多くなりそうだが、教えるべき教員は定年を迎えた教員を全国からかき集めているという噂である。最も懸念しているのが、内部の加計学園職員だというから本当に大丈夫だろうかと不安ばかりが先立つ。

 これだけ世間を騒がせていながら、安倍首相は自分は加計学園獣医学部新設にまったく関与していないと白を切るし、本来なら国会の証人喚問に呼ばれても当然と思える加計理事長が、公の場に一切顔を出さないというのもおかしな話である。

 こうして霧と闇の中を加計学園「忖度」獣医学部は来年4月開学される。果たして入学しようという学生はどれほどいるのだろうか。

 さて、今日は本年度駒沢大学公開講座の最終日で、いつも通り2時限の講座を聴講した。先週「体験的ジャーナリズム論」の山田克講師から、ロシア革命の新聞コピーをいただき、随分参考にさせてもらったが、今日もまた盧溝橋事件、日中戦争、南京入城、大東亜戦争開戦、同終戦の他に、終戦の年1945年4月に脳溢血で亡くなったルーズヴェルト大統領の死亡記事が興味深かった。

 敗戦間近の日本が戦局で追い詰められていたこともあり、各新聞の見出しや著名人のコメントには冷静さが欠けているように思える。鈴木貫太郎首相が同盟通信を通して発表した談話は「米国民の損失、深甚なる哀悼の意」と礼を失しないものだったが、朝日は「世界動乱の最大責任者」、毎日は「米帝の権化に天誅」とまるで帝国軍事新聞の書きようである。朝日記事には「国民は何かしら小気味よさを感じる」とあり、野村吉三郎大将の如きは、「ホワイト・ハウスに行ってルーズヴェルトの部屋に入ったら棺桶が据えてあった。副官のいうにはルーズヴェルトがこの中に入っているといった。これは夢が的中したわけだ」と数日前に見た夢が現実になったと子どものように得意になっている。

 戦時中の日本のお偉方がこの程度の知性だったとは情けなくなってくる。ルーズヴェルト大統領は在職中亡くなられたわけだが、1932年から亡くなった45年まで実に4期に亘って大統領の職に就いていたとは初めて知った。

 古紙にいろいろ教えてもらった。

2017年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com