3835.2017年11月12日(日) トランプ大統領の自由気ままな経済外交

 今ベトナム・ダナンで開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためダナン滞在中のアメリカのトランプ大統領が妙に機嫌が好い。中国訪問前に懸念されていた習近平国家主席との話し合いで一応の成果を挙げられたからであろう。航空機を主に28兆円もの取引をやったというからその笑顔も頷ける。よほど中国との関係を気にしていたと見え、中国と習主席をヨイショすること夥しい。習主席は毛沢東以上と言ってみたり、習主席が太平洋をアメリカと二分するような発言をしても黙認したり、これまでの日本や韓国に対する姿勢を格下げするような態度を示している。

 そこで今朝のTBS「サンデー・モーニング」を観ていると、寺島寿郎氏や他のコメンテーターもトランプ大統領の一連の行動についてそれぞれ発言していた。

 冒頭寺島氏が、強調していたのはどこの国を訪問しているのかということと、政府はアメリカの我儘をそのまま受け入れているということだった。

 例えば、これまでの国賓なら特別専用機で羽田空港に到着して、日本の要人が出迎えるのが慣例だったが、今回は特別機‘Air Force One’は、日本の空港ではなくアメリカが施政権を有している横田米軍基地だったことと、霞が関界隈の官庁や、首相官邸を訪れることなく、迎賓館と霞が関ゴルフ場、それに宿泊ホテルの帝国ホテルと銀座周辺のレストランだけだった。他のコメンテーターは、横田基地は日本ではないし、基地内で米軍兵士と会食したことなど少々アブノーマルではないかということを指摘していた。タイトな日程の中で果たしてゴルフに時間をかけるだけの意味はあったのだろうかということも気になった。

 すべてに型破りの大統領だが、各国が知恵を出し合ってまとめようとしていたTPPにしても大統領就任直後に脱退を発表したり、パリ協定の地球温暖化CO2ガス削減問題では、150カ国が加盟し、長い時間をかけてまとめた約束を、‘America First’とばかり、いとも簡単に脱退するのは、世界のリーダーとしてはいかがなものだろうか。

 APECでは、自由貿易を主張する多くの国々に対し、自由の盟主とされてきたアメリカが今では、保守主義を唱えて2国間貿易を主導しようとしている。そんな大統領の言動は、太平洋経済圏に大きな陰を落としている。各国からのアメリカへの批判が相次いでいるが、安倍首相もせいぜいトランプの軽薄な‘America First’ の口車だけには乗らないよう気をつけてもらいたいものである。

2017年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com