3834.2017年11月11日(土) 波紋を広げる習近平主席の発言

 トランプ旋風が日本から韓国、中国を通り今ベトナムに留まっている。それぞれの国で最恵国待遇を受け、特に中国では皇帝並みの待遇だったと報道されている。その中国では北朝鮮への圧力を主に、米中貿易不均衡問題が話し合われた。しかしながら、トランプ大統領と習近平国家主席の合意には、微妙な温度差が見られた。北朝鮮への圧力では、トランプ大統領は安倍首相と同じく、制裁の強化を力説していたが、習主席は話し合いと対話を重視して相互の手法にはズレがあった。ただ、ことは大袈裟にはせず、貿易問題では中国が航空機を中心にアメリカから28兆円もの大型買い付けを確約してトランプ大統領の意向に沿う対応をしたようだ。これで事前に中国に対してきつい言葉で批判していたが、トランプ大統領は怒りの気持ちを鉾に収めてしまったようだ。

 むしろ共同記者会見の場で、習主席が「太平洋には中国とアメリカを受け入れる充分な空間がある」と本音を話したことに対して、河野太郎外相が「中国は太平洋と接していない」と不快感を示した。同時に「太平洋と接しているのは日本だ。米中で太平洋を云々ということにはならない」と述べた。河野外相が向きになって不快感を露わにしたのは、最近の中国の南シナ海への海洋進出が念頭にあり、これを認めれば、中国は南シナ海、日本海を無視して航行し太平洋に進出すると受け止めていると見られている。

 河野外相の発言には、昨今の中国の傍若無人な行動に手を焼いている周辺各国の声を代弁した節もある。今や経済発展をバックに怖いもの知らずとなった中国の今後の出方が懸念されている。河野外相の発言は子どもっぽいと受け取られる一面があるかも知れないが、相手が相手だけに、お灸をすえる意味でもタイムリーだったと思う。

2017年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com