台風21号が去ったばかりだが、また南方洋上に22号が発生し、いずれ日本を襲うような雲行きである。今日も朝から雨が降ってわが家のリニューアル工事も中断である。18日に工事を初めてからまだ2日しか作業出来ない。雨には泣かされる。
この雨が降る寒い中を駒澤大学の公開講座に出席した後、先日日本ペンクラブ常任理事の松本侑子さんからお誘いを受けていた、松本さんと音楽史研究家・郡修彦氏の「童謡と金子みすゞとSPレコードの夕べ」と題するトーク・ショー見学のため、神楽坂へ出かけた。中々興味深いプログラムで、郡氏が専門の昔のレコードの再現やら、懐かしい喜劇王・古川ロッパの物真似、作曲家中山晋平の歌など聞かせてくれたり、松本さんが最近新潮社から上梓された著書「みすゞと雅輔」に因んでみすゞの詩と彼女の儚い人生について話された。私も10年位前に金子みすゞの故郷、山口県長門市仙崎にあるみすゞの実家を訪れたことがある。
トーク・ショーが終わってから会場近くの新潮社応接室で行われた懇親会に出席した。松本さんは作家であると同時に、翻訳家でもあり、「赤毛のアン」の翻訳書も出されている。同書の舞台であるカナダのプリンス・エドワード島へのツアーも企画して随分積極的なのに感心している。今から30年ほど前にバンフで開かれた観光国際会議の後ふらっと同島を訪れたことがあるので、松本さんに話したところ驚いておられた。彼女は先日差し上げた拙著「南太平洋の剛腕投手」についても早速感想を聞かせてくれた。いずれ私も今日いただいた「みすゞと雅輔」について感想をお話ししなければいけないかなと思っている。少人数の懇親会だったので、ペンクラブの知人とも話すことが出来て寛いだひとときを過ごすことが出来た。
さて、去る18日から羽田空港で海外からの入国者に「顔認証」というオート・システムが採用されている。入国係官が入国者の旅券に張られた写真と本人を見比べて鑑定を行っていたが、これを自動的に行うのだ。実は、先般ポーランドから帰国する際、トランジット客としてヘルシンキ空港でこの「顔認証」チェックに遭遇した。所定の場所に旅券を置いたが、中々OKサインが表示されず、何度やり直しても赤ランプが点灯したままだった。後に続く旅行客のためにもあまり時間がかかっては迷惑でもあるので、近くの係官にサインを送ったが無視され、しびれを切らしていたところ女性係官がやって来た。その瞬間赤ランプが青に変わった。とにかくそれで通過OKとなったのだが、自分の顔と写真の同一性がカメラでは直ぐには分からなかったのだろうか。これではヒゲを生やしたり、ハゲにしたら順調には通らないと機械化の弱点も知った。