ネットで今回の衆議院議員総選挙に関する番組を観ていて、失速した「希望の党」代表の小池東京都知事が投票日前日から事務所に姿を見せず、以前から予定のパリで開催する会議に出席するため都知事として出張していたことが分かった。この出張を巡り、批判やら憶測が飛び交っている。
敵前逃亡と喚く永田町関係者や、党代表として大事な投票日前日に候補者の応援演説もせず、国内から姿を消すなど軽薄だとの声も上がっている。都知事にとって地球温暖化対策を話し合うためのパリ国際会議出席と、OECDフォーラムにおける講演は早くから決まっていたこととは言え、党代表に就任したら都知事としての出張は代理に任せ、総選挙に全力を集中すべきだと思う。それほど都政に力を注ぐなら、新党を起ち上げること自体遠慮すべきだった。最近では、都政への関わりが少なくなっていたようで、出席した会議でも冒頭の挨拶だけというのが目立つという。豊洲市場移転問題も明確な結論が出ておらず、その対応は中途半端な印象が拭えない。
さらに、台風21号の接近が予想される中で、都災害対策本部長である都知事が東京を離れることを問題視する声も出ている。その背景には、昨年4月熊本大地震の際舛添前都知事がやはりアメリカ出張中だったため問題になったことがある。
今日のテレビでも新党から立候補して落選した、党の中心人物のひとり、若狭勝・前衆議院議員がこの間の事情を語っていたが、実際のところはどうなっていたのか、事前に若狭・小池会談では何をどこまで話し合っていたのか、不透明のままである。
我々都民は、小池知事にはきちんと都の業務を行って責任を果たしてもらいたい。もしこの先も国政に色気を出すようなら、はっきり納得出来る理由を述べて都知事を辞職してもらいたいと思う。
小池知事は自分の名誉、栄達ばかりを考えず、約束した都知事職を全うするのが第一義的に求められていることであると自覚する必要がある。
パフォーマンスばかりの目立ちたがり屋には、これからも悩まされそうだ。
さて、中国共産党第19回党大会が閉幕した。18日開催される前から、習近平総書記が地盤を固めて長期政権への足固めをすると見られていた。案の定3時間半に亘って延々と5年間の成果を誇り、次の5年間へ向けた展望について演説を行っていたというから、すごいスタミナだと思う。党規約の行動指針には習近平総書記の政治理念を盛り込む修正案が承認された。その政治理念とは、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」とあるが、はっきり言ってこの総書記の社会主義自体、意味不明である。明らかに習近平への個人崇拝である。今日こんな個人崇拝を煽っているのは、北朝鮮の金正恩委員長と一部のアフリカの指導者ぐらいだろう。しかもNHK特派員がレポート中に、中国ではテレビ画面が消えた。相変わらず報道管制を行っているのだ。
行動指針には社会主義思想を唱えているが、中国は決して社会主義国家ではない。むしろ社会主義とは最も乖離した国と言うべきだろう。社会主義国家に憧れているのだろうが、権力集中、独裁体制、個人崇拝、貧富格差、言論弾圧などの現状を考えるなら、社会主義国家とは程遠い。いずれ中国には総書記自身が一番恐れている暴動が起きる可能性もあり、そうなれば致命的な国家緊急事態に追い込まれるだろう。今日安倍首相は反省を込めたのだろうか、噛んで含めるように言っていた「謙虚」という言葉の意味をよくよく噛みしめないと、習近平天下もいずれ終焉を迎えるだろう。