今日から1週間中国・北京で第19回中国共産党大会が開かれる。5年ごとに開かれるこの党大会で第2期習近平政権の人事が決まる。次回2022年は中国共産党創立100周年記念に当り恐らく大々的な記念行事が行われることだろう。今大会で習近平氏がこのまま共産党総書記に選ばれれば、次回大会で恒例の2期10年を改正して任期を延長し、そのまま終生総書記の座に留まり、国家主席も踏襲することになるのではないだろうか。だが、4年後習近平は党の定年68歳を迎える。党則に従えば、地位に未練を残しながらも党要職を去らなければならない。それでも習近平は党則を変更してまでも総書記の地位に留まり続けるだろうと言われている。
想定されていた通り、両隣に座る91歳の江沢民・元総書記や胡錦濤・前総書記を前に、以前には成らなかった経済発展をやり遂げたと功績を吹聴した。
中国では、共産党大会の他に国家主席や首相、閣僚らを選任する全国人民代表大会(全人代)が開かれるが、実質的には共産党総書記、他の政治局員らの要職を選任するこの党大会が優位にあると見られている。
今日の大会では、ほぼ予定通りライバルを蹴落として盤石の基盤を固めつつある習近平総書記が、予想通りそのまま居座るものと見られている。
さて、先日明るみに出た大会社の不祥事として、神戸製鋼所のアルミ製品データ改ざん事件があったが、改ざんは10年以上も前から行われていたことに少なからずショックを受けた。大手企業が営業成績は極度に悪くない中で、何故このような悪辣な行為に走るのかまったく理解出来ない。この事件は、国内のみならず海外の基幹産業である、航空機や鉄道施設にまで影響が及んでいる。
そしてもうひとつ不道徳な事実が暴露された。日産自動車が無資格の従業員に新車の検査を行わせていたことで、経済産業省が問題を指摘した後も引き続き日産車体湘南工場で無資格検査を行っていたことが、11日に判明した。この事実が分かったのは、何と今月2日西川広人社長が謝罪会見し、9月20日以降は資格を持つ検査員が100%検査を行っていると証言した後のことである。よくもぬけぬけと天下に向かって大社長が大きな嘘をつけるものである。こういうほら吹き会社は今後も世間を騙す恐れがある。厳しいようだが、全国的に製品不買運動を進めることを検討する必要があるかも知れない。すでにEUでは、神戸製鋼所製品を使用しないよう通知があったというから、今後この不信用を取り戻すのは並大抵ではない。
それにしても商業モラルも地に堕ちたものである。
尤もわが国では総理大臣が、森友・加計学園問題で表面化した一連の経緯で示したように、トップが嘘をつき騙くことを意にも介さず、反省もせず、謝って嘘を取り消すこともしないのだから、井の中の蛙ならぬ国民が首相の朱に交わり赤くなるのも致し方ないのかも知れない。これでは真面目な親や学校がいくらモラルを教えても無用ではないかと思えてくる。