今日も朝から雨が降り、今年最低の寒さだという。都心の最高気温が14.3℃だった。この中をレインコートを羽織り、先日の財務委員会に続いて、日本ペンクラブ理事会に出席した。この所在が中々分かり難く、これまでにも度々迷子になっている。中央区茅場町だから株式相場のホームグランドで、碁盤の目のように区画がはっきりした地形なのだが、交番でも道案内に困るような地番でイマイチ分かりずらい。
先月19日の財務委員会出席の際には、地下鉄の出口を間違えた勘違いもあったが、完全に迷子状態となり、急いていたせいもあり、通りがかりの工事屋さん風の若者に尋ねた。彼はスマホで親切に調べてくれ、自分自身この周辺は詳しくないと言いながら進んで道案内を買ってくれた。途中で行き合った同僚にも、先に行ってくれと私のガイドを優先して努めてくれ、何とか時間に間に合わせることが出来た。帰宅してから早速お礼の気持ちを込めて拙著を送ったところだ。忙しくなった世の中ではあるが、こういう親切な人もいるものだ。若い人も中々捨てたものではないことを痛感した。とにかく迷子になりかねない地勢である。
さて、そのペン3度目の理事会であるが、まぁこんな進め方だろうと思っていた通り、3時間近く行われた。財務委員会でも討議された赤字予算を避けようとの考えが全理事の頭の中にもあり、企画事業委員会が地方都市での文学的イベントの企画を考えているが、どうしても採算性が気になる。社団法人として決められた以上の利潤は上げられず、かといって出費を思い通り抑えられず、ジレンマに陥るところだ。もう少し時間が経てば、積極的な意見を述べることは出来るのではないかと思う。
さて、昨日オーストリアで行われた総選挙で中道右派の国民党が第1党の座を占めた。この国民党党首が何と31歳の若さというのには、びっくり仰天である。まだ独身である。メディアの取材に際して傍にガールフレンドがいるというのも異色である。その31歳のクルツ外相が首相に就任することが確実視されている。問題はこのクルツ氏が選挙中から反移民をアピールしていたことである。アメリカのトランプ大統領の反移民はもちろんであるが、ドイツ、フランス、イギリスなどヨーロッパ諸国がアメリカに習えとばかり、保守化傾向を強め、反移民を訴え国民の支持を集めていることである。世界が徐々に反移民、保守主義に固まりつつあるのである。戦時中のナチスのユダヤ人への対応を想像させる。国連も近年あまりこの問題に思うように影響力を及ぼすことが出来ない。一方で中東やアフリカを主に国を捨てる難民は増えるばかりである。単に反移民問題と片付けるわけにいかない。困り切って今の生活を捨て頼って来た人々を、追い返すという非人道的な行為を国が当たり前のことと認めることになるわけだ。果たしてこの傾向を黙って受け入れていて良いのだろうか。