昨晩から今晩まで宿泊している‘BEST WESTERN’のファシリティにどうも問題があり、私のみならず、同行者からも不満が出ている。部屋にかなり格差があり、それがサービス面に表れている。例えば、部屋に依ってはモーニング・コールが作用しなかったり、ドアが開かなかったり、その都度気配りの効く添乗員が走り回っているが、気の毒なように思っている。今回の旅では利用ホテルに問題があるようだ。
今朝一番に訪れたのは、杉原千畝氏が第2次大戦中に主にオランダ在住のユダヤ人が迫害から逃れるために、日本経由で目的地へ行くための日本通過ビザを外務省の方針に逆らって自らの決断で発行した当時の領事館、現在の杉原記念館である。杉原さんのご長男弘樹氏は湘南高校で兄と同級生で私にとって1年先輩に当たる。また重枝豊英・特命全権大使も、ラトヴィアの藤井真理子大使も偶然にも同じ高校の後輩である。
今月9日付朝日新聞には、建物が老朽化してペンキが剥げ放置されかねないことを見かねて熱心な塗装工仲間がボランティアで修理をしたと美談記事が報道された。だが、まだ足場が組まれて完全に外装工事が終わったわけではない。
カウナスはかつてリトアニアの首都であったが、記念館の周辺は住宅地内にあり、住環境は申し分ない。記念館内で冒頭30分ばかりビデオを観ることになった。そして、杉原さんのそれほど広くない執務室で杉原さんが70年以上も昔に執務した席に座って記念写真を撮った。今旅行の目的のひとつでもあった場所だったので、感慨深く思ったところである。引き続き杉原さんが、カウナスからベルリンへ転勤を命ぜられ、カウナス駅を去るまでビザを発行し続けたドキュメント通り、その事実を刻した記念のプレートが飾られているカウナス駅を訪れた。更に首都ヴィリニュスの河畔に幸子夫人が植樹した桜の木々脇にも、所縁の記念碑があり、ここも訪れた。ビリニュスには、かつて天皇、皇后両陛下が訪れており、そのせいで国民の天皇に対する親愛の情が強いものがあるそうで、天皇誕生日には何らかの行事を行うらしい。
ヴィリニュスには、歴史的観光箇所が数多くあるが、市内のストリートに軒を並べたカフェや土産物店などをぶらぶら歩きながら見てみるのも楽しいものだ。
今日はヴィリニュスから再びカウナスへ戻って同じホテルへ連泊することになったが、いよいよ明日はポーランドへ入国する。最大の目的であるアウシュビッツを訪れることが楽しみである。
さてホテルのテレビでイギリスBBCのWORLD NEWSを観ていたら、今日行われたドイツの総選挙で、メルケル首相が党首のキリスト教民主同盟(CDU)が32%、党員217名を獲得し、シュルツ氏が党首のSPDを20%、134名を破り、4期連続で政権を担うことになったことを華々しく伝えていた。詳しくは帰国後新聞で情報収集に努めたい。
日本では大相撲秋場所千秋楽が行わている最中であるが、優勝が誰に決まったのかちょっと興味がある。優勝力士が誰なのか、残念ながらこちらのテレビでは結果が分からない。一昨日ラトヴィアのテレビでは、NHK・World Newsを観られたので、10勝3敗の大関豪栄道を9勝4敗の横綱白馬富士と平幕朝の山が追っているところまで分かっていたが、強豪力士が軒並み休場し、星取表も13日目にしてトップが3敗もするという、ややレベルダウンした秋場所は果たして誰が優勝しただろうか。