あの忌まわしい9.11ニューヨーク同時多発テロ発生以来16年目を迎えた。同時に東日本大震災から6年6カ月が経過した。
こんな日に戦争映画を観るとは不謹慎だと言われそうだが、一昨日公開され以前から観たいと思っていた映画「ダンケルク」を鑑賞に渋谷へ出かけた。映画を観ながら補聴器の具合をチェックするのも目的のひとつだった。
「ダンケルク」は、イギリス人クリストファー・ノーラン監督制作のハリウッドらしからぬハリウッド映画だ。「ダンケルクの戦い」で名高く、ベルギー領に近いフランスのドーヴァー海峡に面した港町ダンケルクの海岸と沖合が舞台でイギリス軍の撤退がテーマである。行動範囲が狭く、ダンケルクの街以外は海上のみである。空海軍、及び民間船協力によるイギリス軍撤退作戦をイギリス人の視点で描いた戦争映画である。空中戦や、艦船攻撃など熱いシーンが数多く観られてかなり迫力があるが、実は当初映画のストーリーがよく分からなかった。また、助けられた艦船の中で給仕をしてくれた女性を除いて、ただひとりの女性も登場しないというのもハリウッドらしからぬ点である。当然恋愛もまったくなし。プライベートの話も一切なく、戦場の勇ましい場面ばかりが映し出される珍しい映画だと思う。
最後に撤退作戦がほぼ成功して、イギリス国内の新聞に大きく取り扱われる。恐らくイギリス人にとっては痛快事だっただろう。だが、映画らしいストーリー性がほとんどなく、映画自体はちょっと期待外れだった。
さて、昨日昼間信じられないようなトラブルがあった。かつて勤めていた小田急電鉄の車両が沿線火災の煽りを受けて線路上で引火し、車両の屋根部分から火が出て燃えた。幸い停車した電車から乗客は外へ出ることが出来て、けが人はいなかった。火元は参宮橋・代々木八幡間のボクシング・ジムということだが、画像で観る激しい炎には慄然とする。危ないと思った踏切近くにいた警察官が咄嗟に非常火災報知器を押したことで、運転士も気が付かないうちに火災現場に最接近した場所で電車がATS自動停止装置により停まってしまったことが何ともついていなかった。そのため火が電車に燃え移り、長い間電車は停まってしまった。今夕も7時と9時のNHKニュースで詳しく報道していた。一旦停止した電車が動き出し、再び停まった点が問題と見られている。小田急と警察、消防署との連携に問題があるとされた。
更に理解し難いのは、現在の車輛は不燃構造に設計されていると考えていたが、屋根はそうでなかったことである。1951年発生した100名以上の犠牲者を生んだ国電桜木町事故を思い出す。一部木造だった車両と、車輛内を移動出来ない構造が脱出口を塞いだと糾弾され、以降極力不燃性材質を使用するようになったと思っていた。
乗客の安全を守るためにも国交省の指導を受けて、電車は早く停止することはもちろんであるが、停めるべき安全な場所についても検討されることだろう。