各テレビ局ともニュース番組、エンタメ番組を挙げて昨日の北朝鮮水爆実験に関して、専門家を交えて解説をしながらいろいろ議論を戦わせている。この水爆実験は、必ずしも水爆ではなかったのではないかとか、中国の対北朝鮮石油輸出は禁止出来ないのか、北朝鮮はアメリカが絶対軍事行動を起こさないと確信しているので、マイペースで核開発を進められる、とか意外なお説も伺った。討論を聞いていると中々興味深い。
現在の北朝鮮は、組織、体制、指導者のどれを取ってもとても常識では理解出来ない国である。経済的に国は苦しいと思えるが、それでもそういう気持ちを見せずに次々と高投資の核開発を行っている。当然しわ寄せは国の底辺でささやかな努力をしている庶民にふりかかって来る。外から見ると一糸乱れぬ統率の下に国民の結束は固いように見えるが、実際は国家により強圧的に押し付けられたもので、テレビで度々紹介される金正恩委員長に従っているかのように見せかけているが、国家の発展を目指すとの市民のシュプレヒコールやスローガンはまやかしに過ぎない。厳しい生活を余儀なくされている国民の我慢はいつまで耐えられるだろうか。
国民心情をまるで斟酌しない北朝鮮は、愚かな支配者・金正恩労働党委員長の独りよがりのせいもあって今後一層核開発へ執着することだろう。昨日の水爆実験は過去最大級の爆発だった。着々と技術力を向上させ、自信を深めた金正恩一派には体制が破壊するとの危機感を与えるくらいの強い国際的経済制裁を課さなければ、現状は北朝鮮の思いのままだろう。これに中国とロシアがどれだけ同調するだろうか。困ったことには、北朝鮮の核開発を止めさせるために、北朝鮮の核保有を容認しようとの声も聞かれる。その容認論のうえに、外交的話し合いをしようというのである。これではマイペースで他国に散々迷惑をかけて来た北朝鮮のペースに嵌まることになる。大国同士が駆け引きをやっている間に悪賢い北朝鮮が、その隙間を突いて自らの目的を達したような印象を受ける。
日本時間の今晩国連安保理事会が開催され議論されるようだが、いかなる結論が出ても北朝鮮は聞く耳を持たないだろう。9日に建国記念日を迎える愚かな国が、また何らかの愚かな示威行動をやるのではないか心配である。