今朝テレビをつけたら北朝鮮が早朝6時前にミサイルを発射したとのニュースを大きく報道していた。どこのテレビ局でもこのニュースで持ち切りだった。NHKは長時間このミサイル発射のニュースを放送し続けたため、レギュラーの朝ドラ「ひょっこ」がどこかへ吹っ飛んでしまった。
安倍首相、菅官房長官、河野外相、小野田防衛相の他にも自衛隊幹部のコメントを入れ替わり立ち代わり伝えて、昨日まで比較的落ち着いていた北朝鮮のミサイルに関する話題が改めて大きくクローズアップされてきた。特に今日発射されたミサイルは、北海道松前半島から襟裳岬上空を飛行して太平洋上に落下したので、日本の領空を飛行したことになる。日本の領空を通過したのはこれで5度目である。飛行距離は2,700㎞であり、これを先日予告したグアム方面へ打ちあげていれば、アメリカ領内へ届いたことになる。正に臨戦態勢へ一触即発の危険性が高まってきた。
本件に関しては、一番いらいらさせられるのは、話し合いと圧力をかけ続けることだと日米韓首脳が述べているが、それが一向に効き目がないことである。尤も「盲蛇に怖じず」の金正恩北朝鮮労働党委員長サイドにも今では効果的な打つ手がなくなっている。
国連安保理事会で中国に対して改めて北朝鮮への石油の輸出規制など圧力強化を求める声が高まるのは必至の情勢である。中国としては金正恩政権が崩壊すれば、大量の難民が中朝国境方面へ押し寄せることは予想され、何としても北朝鮮の崩壊を防ぎたい。
いずれにせよ現状は、米韓と北朝鮮の脅し合戦が膠着状態陥っている。
北朝鮮が米韓軍事演習に神経を尖らせ窮地に追い込まれている実情に鑑みて、一歩譲って米韓もここは一時立ち止まって見合わせてみるのもひとつの緊張緩和策になるのではないだろうか。
さて、昨日亡くなられた羽田孜元首相について、朝日新聞が昨夕刊から今日の朝刊までかなりのスペースを割いてその人柄と政治家像を好意的に報道している。「ミスター政治改革 悼む」として星浩・元特別編集委員のコメントを載せたり、全「天声人語」を羽田色で採り上げているほどである。その「天声人語」で採り上げられた「政界の暴れん坊」故浜田幸一氏のコメントがなるほどと思わせる。
羽田さんが小田急バスで定期券を売り、観光ツアーを企画した。バス会社社員なら当然のことだが、浜田氏は「羽田君の持つ視点の低さを育んだ」と羽田さんが上から目線にならなかった添乗員としての経験を高く評価している。浜田氏も良いところを見ていると思う。
添乗員というのは、実際自分でやってみなければ中々分からないものだ。中々難しい仕事であるが、誤解されている面が多い。大体「添乗員」という呼び方が良くない。「お客の傍に添って乗っている人」と言葉にあまり積極的なニュアンスがない。アメリカでは、‘TOUR LEADER’とか、‘TOUR DIRECTOR’と積極的な意味を込めて呼ばれる。リーダーシップを発揮しながらお客の気持ちを満足させツアーを予定通り遂行させるリーダーなのである。従って向いている人、向いていない人、また添乗員という仕事を評価する人、しない人、いろいろいる。添乗員を蔑むような人も旅行会社内外にいたものである。私自身添乗員経験が長かったので、ある程度理解しているつもりだが、観光業に従事しながらいつまで経っても添乗員になり切れない社員がいた。浜田氏も羽田さんも添乗員というものがよく分かっておられたようだ。