2809.2015年1月21日(水) 「イスラム国」とイェメンの蛮行

 案の定今朝の新聞は端から端まで、「イスラム国」による日本人殺害を警告する記事で溢れている。安倍首相もエルサレムでの滞在を短縮して今夕帰国し、早速官邸へ入り解決策を打ち合わせている。首相は2人の身代金は支払わないと明確に断言した。だが、フランス政府は否認しているが、以前フランス人の解放には身代金が支払われたとの噂があり、一部には尊い生命と引き換えに身代金を支払うべきか決断に悩んでいる様子が感じられないでもない。勿論テロの要求に屈することは許されないし、人質を殺害されたアメリカやイギリスとのテロ撲滅連携への配慮もあり、「イスラム国」の要求は断固はねつけるべきである。現状では厳しい選択を迫られている日本政府は、この問題をどう対処するか、最早決断までの時間がない。

 ところで菅官房長官は今日の記者会見で、記者から身代金の要求が72時間以内とされているが、何時になるかと質問され、明後日の午後2時50分ごろと応えていた。しかし、この72時間というのは、3日と言う意味で昨日から明後日までという意味である。時間の長さを言っているのではない。ビザなし滞在許可72時間が3日間滞在を認めるというのは、常識的に理解されている。日本国の報道官である官房長官も、記者もこんなことを知らないのだろうか。

 どうも怪しくくすんだ空が覆っているような地球上であるが、「イスラム国」の蛮行に歩調を合わせるように、昨日もうひとつ物騒な事件が起きた。アラビア半島イェメンではイスラム教シーア派系ザイード派民兵が、首都サヌアの大統領宮殿を襲撃し制圧したとされている。3年前の「アラブの春」以降政治的に不安定だったイェメンで、退陣したサレハ前大統領が復権を狙い、昨年来国内各地で進撃を開始し、昨日宮殿周辺で政府軍と衝突し国営メディアを制圧した。更に民兵は大統領私邸を襲撃し、ハディ暫定大統領の所在が不明で心配されている。このイェメンはパリの週刊誌襲撃事件の犯人たちが所属していたアルカイーダ系武装組織の拠点である。

 今から47年前の1968年1月当時内戦に終止符を打ち、イギリスから独立したばかりで硝煙燻るアデン(元南イェメン人民共和国、現イェメン共和国)を訪れたが、内陸部のサヌアと異なり、港町アデンには外国船が出入りして活気が感じられたが、市内には独特の雰囲気が漂っていた。現地に足を踏み込んでみないと感じ取れない、あのカリスマ的な雰囲気の街が武装グループを育てて行くのだろうかと思うと、日本人にはなかなか理解できないのがこの地域の人々の特性である。

2015年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2808.2015年1月20日(火) 「イスラム国」、日本人2人の殺害を警告

 今日全国民を、というより世界中をあっと驚かす衝撃的なニュースが入って来た。午後いつも通り駒澤公園へのウォーキングから帰ってゆっくり大相撲観戦でもしようとスィッチを入れたところ、相撲どころではなくテレビ画面でショッキングな映像を見せられたのである。画面では2人の日本人がオレンジ色のガウンのようなものを着せられて跪かされ、その間で覆面をした「イスラム国」の男がナイフを手に、脅迫しているのだ。日本が2億㌦を支払わなければ、72時間以内に2人の日本人を殺害すると‘You tube’画像で脅しているのだ。これまでに自然大災害は別にして、テレビでこれほど残虐な画像を見せられたのは初めてではないだろうか。

 座らせられた2人は、フリージャーナリストの後藤健二氏と自称武器商人の湯川遥菜氏と推察されている。後藤氏はこれまでも「イスラム国」関連取材で度々テレビに登場したので、よく覚えている。一方湯川氏は、何が渡航の目的なのか、よく分からない個人的な目的だけで「イスラム国」入りを目指し、昨年夏ごろ周囲の心配をよそにシリア反政府軍に加わり、シリア国内の「イスラム国」支配地域へ入ったようだ。その後「イスラム国」軍に身柄を拘束された。湯川氏の行動に対しては、その当時から大分批判的な声が上がっていた。

 折も折安倍首相はイスラエル訪問中で、昨日ネタニヤフ首相と会談し、パレスチナ問題について話し合い、平和へ向けて努力を傾けるよう要望した。そして今日はエルサレムからパレスチナ自治区を訪れ、アッバス議長とは予定通りラマラで会談したが、ベツレヘムの聖誕教会等の聖跡見学は取り止めた。午後6時ごろエルサレムで首相の記者会見が行われた。犯人に対して許しがたい行為だと厳しく非難し、2人を即刻解放するよう要求した。

 元々論理性のない言動を繰り返してきた「イスラム国」が2人の日本人を人質にした行為と要求は、まるで筋が通らない。日本は「イスラム国」へ十字軍として攻撃した責任があると言うが、欧米とは異なり日本は「イスラム国」を非難することはあれど攻撃したことはない。今回首相の訪問に合せてシリア、イラクに支援金を供出するのは、あくまで人道支援のためである。彼らの言い分は、メチャクチャなのである。

 今日のビッグ・ニュースはあっという間に世界中に広がったようだ。2人の身の上が心配である。

2015年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2807.2015年1月19日(月) 外国人訪問客増加に際して、日本の正しい文化を

 近年日本への外国人観光客が順調に増加しつつある。実際この数年間に外国人訪問客の数はうなぎ登りに伸びている。日本政府観光局(JNTO)の推計では、昨年日本を訪れた外国人は約1340万人と見ている。その中でアジア方面から、特に近隣の台湾、韓国、中国、香港からの旅行者の中には買い物を目的とする人たちも多く、日本を訪れた外国人の消費の合計額が日本の名目国内総生産(GDP)の0.4%にも匹敵するというから驚きである。今では観光業がわが国のGDPに占める割合は、自動車産業を上回る水準にまで高まっているというのだから、我々が従事していた一昔前にはとても考えられなかった。隔世の感がある。

 かつては、日本へやって来る外国人観光客の数は少なく、その一方で日本人海外旅行客は多く、観光業は海外への支出額が圧倒的に多く、国の貿易外収支上大きなマイナスと見られていた。そのために観光業者の地位も相対的に低く、我々旅行エージェントは肩身が狭く感じたものである。観光業者は国費無駄遣いの最たるものだと役所から揶揄され何事につけ冷淡な扱いを受け、エージェントとしてはつい下を向かざるを得なかった。近著「南太平洋の剛腕投手」を執筆する前には、「士農工商・・・エージェント」と名付けた本を途中まで書いて出版しようと思っていたくらいである。まだ、全体の1/3ぐらいしか筆は進んでいなかったが、そのくらい私のみならず、多くのエージェントの胸の内には鬱憤が溜まっていた。

 そして、昨今の観光ブームである。観光業が外貨を稼ぎだすと観光庁は得意満面である。敢えて言っておきたいのは、ブームは国が経済対策で観光業に注力したから訪れたのでは決してない。以前もそうだったが、今でも国は観光にこれという有効な手を打っているわけではない。すべて今日の観光ブームに火を点け、推進してきたのは民間観光業者の地道な活動である。

 政府は口先では観光振興策が成功したとか、観光行政の効率化などと体裁の好いことを口走るが、とんでもない。大空港を作ったことぐらいしか、国交省はやっていない。況してや地道なソフトウエアには、これまでほとんど見向きもしなかった。

 例えば、民間が逆立ちしてもできないことがある。日本人の心、日本文化、習慣、伝統を正しく外国人に啓蒙することである。日本について間違った理解や誤解をされないよう、正しい日本の姿を伝えることこそ国がやるべきことである。開閉式の扉の右手前(左前ではない)でなければダメだということは、我々は小学生の時に掃除をしながら先生から教えてもらった。左手に箸を持って食事をしている日本人のCMなんて何とかならないだろうか。「右手とは箸を持つ方の手」とは子どもの頃に教えられた基本だ。このように地味で大切なことは国がしっかり教えなければいけない。

 日本政府観光局は、日本の礼儀や文化が壊されるのを徒に放置するのではなく、正しく日本の姿を伝えることこそ観光客を増やす前に成すべきことではないだろうか。

2015年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2806.2015年1月18日(日) 民主党新代表に岡田卓也・前副代表を選出

 昨日本ブログに採り上げたブラジル人の友人、アーリンド・フルタードさんと天麩羅店「天一」のメニューに書かれた「公魚」について、早速高校時代の2人の友人からそれぞれについて親切なメールをもらった。

 アーリンドさんについては、かつてブラジルに駐在していたことがある友人が、来月ブラジルに旅行するので、アーリンドさんを訪ねて様子を確かめてみても好いと好意的な内容を伝えてくれた。旅行中時間的によほど余裕があれば、無理がない程度にお願いしたいと返事をしたところである。

 また、「公魚」については、もう一人の友人が的確なサジェスチョンを与えてくれた。早速ネット検索した結果、「公魚」の名称の謂われについて納得することができた。それによると「漢字で『公魚』と書くのは、常陸国麻生藩が第11代将軍徳川家斉公に年貢として霞ヶ浦のワカサギを納め、公儀御用魚とされたことに由来する」とある。「公」と付く以上、それなりに由緒ある理由があるだろうとは思っていたが、これで納得が行った。

 親切に相談に乗ってくれる彼らに対して、私がいくらかでもお返しができるだろうかと考えるとあまり自信がない。いずれにしても困った時に難問をクリアしてくれる頼りになる友人というのは有り難いものである。

 さて、今日野党第1党の民主党代表を選ぶ党内選挙が行われ、細野豪志・前幹事長と決選投票の末、前副代表だった岡田克也氏が新たに党代表に選ばれた。このところ2度の総選挙で自民党に完敗し、結果的にこれが自民党独走に手を貸した形になった野党第1党の民主党の責任は重いと考えざるを得ない。

 岡田新代表はオール民主党として党の再出発を唱えているが、党内に大分不満分子がいて、実際今日の選挙でも第1回の党員投票では岡田氏は細野氏に敗れている。党副代表として、また民主党政権では外相として務めただけに、多角的な視点、そつのなさと人間性は党内でも買われるだろうが、やや迫力に欠ける点や、図々しさではまったく安倍首相の後塵を拝しているだけに、果たして与党に睨みを利かせられるだろうか、不安が残る。安倍首相も2012年の自民党総裁選挙の党員投票では、石破前幹事長に敗れたが、国会議員投票によって総裁に選ばれ、党内に盤石の態勢を築いた。岡田新代表もそれだけに精々この点だけは安倍首相を見習い、党内に固い地盤を築いて欲しいものである。

 岡田新代表が党内を一つにまとめることができるかどうかが、民主党を発展させられるかどうかのカギを握っている。とにかく今の1強多弱では政治は劣化するばかりである。

 岡田代表と民主党の奮起を期待している。

2015年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2805.2015年1月17日(土) 阪神・淡路大震災から20年

 阪神・淡路大震災発生から今日でちょうど20年になった。地震発生時刻の今朝5時46分には、神戸市内及び全国各地で多くの市民が頭を垂れて黙祷した。震災の年に生まれた子は、早くも来年成人式を迎える。20年はあっという間である。

 人一倍印象的な事実を思い出すことがある。20年前のあの日の朝食時のことである。リオのアミーゴ、アーリンド・フルタードさんから、不意に電話があった。何ごとならんとおっとり刀で受話器を取ったら、遥か地球の裏側の友から震災のお見舞いをいただいたのである。私が東京に住んでいるので家族は大丈夫だと思っているが、神戸に親戚や友人がいないか、また彼らの身元は大丈夫だろうかと私の周辺の身の上を気遣った電話だった。その時地震直後に私や家族の身の上まで心配してわざわざブラジルから電話までしてくれて温かい気持ちに触れることができて涙が出るほど嬉しかった。

 そのアーリンドさんが来日した折には、日光や、河口湖、山中湖、箱根にも行ったし、わが家にも来てもらい息子たちと一緒に、その当時Jリーグ鹿嶋アントラーズで活躍していたジーコ選手のプレイを楽しくテレビ観戦したことがあった。

 ところが、この2年ばかり音信が途絶えてしまった。昨年もカードを送ったが、彼からは送られて来なかった。毎年欠かさずバースデイ・カードとクリスマス・カードを送ってくれたほど几帳面で筆まめだったアーリンドさんも、寄る年波に勝てず健康を害しているのだろうか、ちょっと心配していたところである。そろそろ卒寿を迎えるお年だが、一度コパカバーナ海岸近くのアパートをお訪ねした時は、独身貴族で身軽なせいか、室内はきれいに整頓されていた。

 この阪神大震災記念日がやって来るたびに、アーリンドさんからもらった温かい電話を思い出す。アミーゴが元気でいてくれれば良いのだがどうにも気にかかる。

 さて、最近特に地震、それも東日本大震災の余震とか、各地で発生する微震が話題になることが多くなった。いついかなる時に地震が発生するか分からないと言われては、体験のない人は戸惑うのが普通である。

 私自身目の玉が飛び出るような大地震に遭った経験がある。20世紀最後の大地震と言われるトルコのイズミット大地震に思いがけず遭遇したのである。今から16年前の1999年8月17日午前3時だった。地震はマグニチュード7.6で、1万7千余りの人々が尊い生命を落とした。揺れは約37秒もの間続いたと言われた。その時トロイ遺跡を見学するために、震源地近くのチャナッカレという町に滞在していたが、熟睡中に突然大きな揺れに思わず目が覚め、しばらくぼぅっとして、荷物が落下する大きな音に慌てて逃げようとベッドから降りた途端揺れが止まった。この大地震のお陰でトルコならではの意外な事実や習慣を知り、思いがけない体験をしたことがその後著述業をやっていくうえで大いに役立っている。

 地震と言えば、1989年10月にもサン・フランシスコで大きな地震に遭っている。この時は郊外をドライブ中だったのでそれほど揺れを身体に感じることはなかった。その他にもロンドンとシアトルでは宿泊先のホテルで火災を経験している。

 それにしても、神戸では家族を亡くされた方々の話を聞くと胸を詰まらせられる。これまで私自身は危機一髪の経験が何度かあるが、何とか切り抜けて来ることができた。これからも無事でいられるよう望んでいるが、今や世界中が地殻変動の最中で何が起こるか分からなくなった。その時点で慌てないことが大切だと思う。すっかり私自身の自然災害体験記になってしまった。

 ところで、ちょっと脱線するが、夕食を外で取ろうと妻と出かけ、天麩羅の老舗「天一」に入った。メニューに書かれていた「公魚」という文字に目が留った。店員に尋ねてみると、何とお店では伝統的に「ワカサギ」を「公魚」と書くのだそうである。帰宅して「大辞林」を引いてみると、確かに「ワカサギ」には、「若鷺」「鰙」の他に「天一」の「公魚」があった。しかし、「ワカサギ」が何ゆえ公の魚なのだろうか。まったく分からない。

2015年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2804.2015年1月16日(金) 政府に地方創生ができるのか。

 昨今日本の失業率は大体4%前後を推移して比較的安定した労働市場にある。アメリカとドイツが6%、フランスは10%、イタリアに至っては13%台で街に失業者が溢れている現状である。その点では、日本は韓国の3%に次いで、世界でも安定した労働市場を確保していると言える。だが、その実態は一皮剥けば化けの皮が剥がれるように盤石なものではない。

 最も特徴的なことは、日本の労働市場は非正規雇用という不安定な雇用に支えられた労働市場から成り立っていることである。雇用されているとは言え、不本意ながらパート、アルバイト職に従事せざるを得ない人が多いのである。

 実際厚労省統計に依れば、一昨年の非正規雇用者は年齢を問わず、全雇用者のうち平均で36.7%である。労働者のうち約1/3が非正規雇用者ということになる。その一方で労働者の絶対数が不足している分野もある。その筆頭が建設業界である。建設業界では現在作業員の人手不足が大分深刻になっている。2020年東京オリンピック景気に煽られて大手建設会社は工事量が増大し、作業員の不足がはっきりしている。建設業界は報奨金を出すことまでして作業員確保に努めている。他にも関連産業としてトラック業界でもトラックの運転手が枯渇している。これは従来では考えられなかったネット通販の急速な普及により、荷物の配達量が急増し、トラックとトラック運転手が不足した結果である。コンビニやスーパーでは、その対策として輸送手段をトラックから鉄道貨物輸送や船舶輸送に切り替えることまで検討している。

 以前に比べ産業構造が多彩・多面的になり、新たに意外な業種も現われる反面、次第に消えて行く仕事も目に付く。農業の衰退と同時に農家にとって相談窓口になっていた農協が、昔の力を失い、農業の近代化、並びに発展にブレーキをかけている現状に、地方創生を唱える政府は農協のトップ機構、全国農業協同組合中央会(JA全中)の解体を決めた。

 これにより政府とJA全中の対立が一気にエスカレートし、はしなくも思わぬ形で直近の佐賀県知事選挙においても表面化した。自民党・公明党が推す候補者に対して、自民党の一部が叛旗を翻し従来の農協支援層と農業団体が別人を候補者に立てて争った結果、劣勢だった反自民派が勝利を収めたのである。政府は農協改革案を次の国会に提案し、現在の農協を改革しようとしている。このところ地方では、政府が地方と対立した選挙結果はほとんど政府側の負けとなっている。国が住民に内容を説明し、納得させず賛意を得ていないからであろう。最近の安倍政権のやり方は、ほとんどこんなパターンである。これだから困る。この先政府のやり方がごり押しで進められるようなら、安倍政権も長期政権とはならないのではないだろうか。

2015年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2803.2015年1月15日(木) 国民年金原資運用は大丈夫か。

 来年度国家予算が大筋決まった。総額96.3兆円である。年々雪だるま式に膨れ上がっている。国の借金がどんどん溜まる中で、こんなに大風呂敷を広げて大金を使って大丈夫なのだろうかと心配になってくる。歳入は税収が増えると予想されているとは言え、歳出にはとても及ばない54.5兆円である。歳出のうち最も嵩むのは社会保障費で31.5兆円である。少子高齢化の傾向が年々高まるとこの割合はもっと高まる。どうやって財源を補うのか、真剣に考えなければならない。

 そんな中で国民厚生年金の資産運用についても理解できない話が進んでいる。年金基金をこれまでの債権運用から株式へ切り替えるという。つまり、ノーリスク・ノーリターンからハイリスク・ハイリターンに変わるわけである。株式市場が順調ならまだ好い。だが、仮に再びリーマン・ショックのような不意打ちを食らったら肝心な国民の年金はどうなるのか。昨年安倍首相がロンドン訪問の際、記者会見でアベノミクス成長に力を注ぐので、日本の株式市場に投資して欲しいと述べたが、この発言を受けて外資は日本が政府資金を株式市場に注ぎ込むと理解した。これが政治的な圧力となって、年金を管理している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、なくなっては元も子もなくなる年金資産をリスキーな株式へ投入することを決めたのではないかと推測する専門家もいる。

 問題はこの事実自体より、このことを国民にまったく知らせず、GPIFの密室内で一部の人間だけで決めてしまったことである。しかも政府の意向を受けた形になっている。これでは独立行政法人ではなく、政府が決めたことになり、国民へ責任を果たしていないばかりでなく民主国家としての体を成さない。

 他にも政府は国民に知らせるべき事柄を公表せず、意見を聞いたり当然行うべき行為を無視して、国民を欺いたことが度々あった。あまり組織の実態について国民が詳しく知らないことを好い事に、またもや国は国民をたぶらかそうとしているのだろうか。どうも安倍政権になってから一層国のやることが信用できなくなった。

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2802.2015年1月14日(水) 「大阪都構想」一歩前へ

 新宿で1年ぶりに元同僚の隅野さんと、2カ月ぶりに同じく元同僚の八木さんと昼食をとった。3人とも在職中は助け助けられながら同じ時期に同じような仕事をしていたので、話がよく合う。しばらくぶりにリラックスして同じレストランに約4時間も粘っていたので、随分邪魔者になっていたのではないかとお店に申し訳ないような気がしている。

 さて、大阪都構想が一歩進んだ。「日本維新の党」の橋下徹・大阪市長は、持論である大阪都構想実現のための、公明党との話し合いがつき、公明党が大阪都構想に賛成することになった。これにより両党で大阪府及び大阪市議会の過半数を占めることから都構想法案可決が確実と見られ、その後に住民投票を行い、住民の審判を受けることになった。

 この結果、来る5月に大阪府民と市民にとって自らが「大阪都構想」に関する意思表示をする機会が訪れることになった。ありていに言えば、自治体としての大阪が東京と同じような行政組織になるということである。これまで大阪市と大阪府がダブった行事を行う二重行政の無駄が度々指摘されていた。これを一本化して無駄をなくそうというのが、就任当初から橋下氏が主張していたことである。大阪都構想が実現すれば大阪市は消滅し、その後にいくつかの特別区ができる。どちらが優れているとは一概には言えないが、住民が決めることにより、結果責任を持つことになる。全大阪府民が5月までの間に充分自分たちの権利や義務、更には生活上の利便性などを熟慮して後顧の憂いなく住民投票に備えてもらいたいと思う。

 それにしても橋下氏のやることは、住民の意見を充分斟酌せずに、あまりに短兵急にやり過ぎることであり、その点が些か心配である。

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2801.2015年1月13日(火) アルペンクラブ後輩の遭難死を想う。

 数日前から左眼の周辺に疼くような痛みを感じて困ったなぁと思っていた。最初は眼鏡の度が合わなくなってきたのかと思ったが、昨年4月に新しく買い替えたばかりでそんな筈はないとも思い、気分が晴れないまま、あまり長くPCに夢中にならないようにしたり、時々眼鏡を外したり無駄な抵抗をしていた。今日かかりつけの森内科で診てもらったところ、昨年来罹っていた風邪の影響か、或いは患部の場所から考えて鼻に原因があるかも知れないとの話に、しばらく風邪薬を飲んで、なお具合が良くなかったら一度耳鼻咽喉科で診てもらった方が良いとのアドバイスをいただいた。新たにいただいた薬の効果次第である。序に測ってもらった血糖値数は131だった。正常値のマックスが105だから若干高いかなぁという気がするが、それほど心配する値ではない。

 それにしてもかつては健康優良児だったことを考えると、寄る年波とは言えちょっと情けない。今体調を崩して自分のやりたいことができなくなるとは、とても耐え難いし悔いが残る。何とか早く病気を根治しないといけないと思っている。

 さて、今日沼津市にお住まいの谷口さんご夫妻から昨年12月29日付読売新聞岩手版のコラム「記者ノート2014」のコピーを送っていただいた。谷口さんの子息龍二くんは大学アルペンクラブの後輩で、わが家の2人の息子たちの家庭教師を務めてもらい、良い遊び相手にもなってくれた。小学生だった二男はスキーにも連れて行ってもらい良い思い出を作ってくれた。その彼が1995年9月ヒマラヤのシプトン・スパイアー(5850m)の岸壁上から転落して亡くなった。葬儀には妻ともども参列したが、あまりにも若く非業な死は周りに大きな悲しみを与えた。その谷口くんは87年南アルプスの農鳥岳で遭難しかかっていた、岩手県大槌町の男性を同行の友人とともに救助し表彰された。その男性は東日本大震災で92歳の母親と兄を行方不明として失った。その後大阪からボランティアで来ていた同じアルペンクラブの後輩が、その男性の手元で谷口くんのご両親から大槌町の男性へ送られた追悼集を見つけ、不思議な縁を想った。このコラムを書いたのが、同じアルペンクラブで谷口くんの同級生で農鳥岳の遭難を下山して伝えた現読売新聞盛岡支局長の丸山謙一氏である。

 このストーリーには随分偶然が重なっているが、大槌町の男性が助かったのも谷口くんが偶然傍で献身的に介護する役目を果たすことができたからだと思う。私には谷口くん自身の不慮の遭難死までの思い出しかない。夕方になるとよれよれのオートバイに乗ってわが家にやって来た。くれぐれも事故に気をつけて帰るように話したことが昨日のことのように思い出される。遭難する前にもアメリカのヨセミテ公園のハーフドームで、宙吊りになったことがある。登山好きというより根っからのロック・クライミング好きだった。今でも人懐っこく爽やかな笑顔が瞼に浮かんでくる。

 ご両親のお手紙で久しぶりに谷口龍二くんを懐かしく想い出した、心に残る新聞のコラムである。改めて谷口くんのご冥福をお祈りしたい。

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2800.2015年1月12日(月) 母校ラグビー部ベスト8進出ならず。

 今日で2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まで、残り2020日となった。私のこのブログも2800回連続ときりの良い数字となった。オリンピックが開催される頃には、連続5000回が目前である。何とかクリアし、出きれば翌2021年の母校湘南高校創立100周年まで続けたいと思っている。

 ついては、今日は「全国的に」成人の日でもある。ところが、地方によっては公式祝賀行事とは別に今年20歳、つまり大人になった若者の不作法がしばしば興味本位に取り上げられている。最近では一部の地区では、外見上わけの分からない派手な服装で、頭髪は総天然色の大虎刈りにし嬌声を発し、他人の迷惑にはお構いなく暴れまわっている。最近ではふざけたパフォーマンスは年々エスカレートするばかりである。

 時代が変わったと言えば、そう言えるのかも知れないが、今から56年前私も成人式を迎えた。だが、浪人生活2年目で切羽詰まっていたこともあり、目先にある受験だけを考えて、遊ぶことや受験勉強以外のことに関わることなぞ考えられなかった。早く志望大学にパスしたい一念だけで必死になっていた。

 常識的な社会のルールやお行儀をお説教する是非は別にしても、私には或いは自由奔放に振る舞える彼らに対して、多分羨ましさやひがみ根性のようなものがあるのかも分からない。それにしても馬鹿騒ぎをしている彼らは全体から見ればほんのごく一部だろうが、これから大人の世界へ足を踏み入れようというのに、思慮もなく、まともな意見を主張することもなく群れをなして世間に対して悪ふざけをして存在感を示しているのはどうにもいただけない。実に嘆かわしい。

 さて、パリのテロ騒ぎは世界中を驚かせ、沈痛な気持ちに陥れた。昨日はパリ市内の犠牲者を悼むデモは、オランド大統領を始め、イギリスのキャメロン首相、ドイツのメルケル首相、イスラエルのネタニヤフ首相、ヨルダンのアブドラ国王夫妻、パレスチナ自治政府のアッバス議長らを先頭にパリ市内だけで160万人の市民が参加し、フランス全土では370万人が参加したと言われている。パリ市内のこの人出は、第二次世界大戦終戦時のフランスのドイツに対する戦勝祝い以来だそうである。当分このテロ後遺症は収まりそうもない。

 今日は久しぶりにラグビー部後輩たちの公式戦を応援に出かけた。これまで何度も応援に行ったことがある法政二高グランド(於 川崎市武蔵小杉)で、新人戦3回戦の相手は関東学院六浦高である。現OB会長の門田氏を始め、面倒見の良いOBの大石氏、名取氏のほかに前々代校長の川井陽一先生が来られたのには驚いたし、すでに校長職を辞められたのに前職高校の生徒たちを応援に来られる熱意に感心させられた。チームにも大いなるパワーを与えてくれるに違いない。

 試合は互角勝負の場面もあったが、結局フォワードの非力さと、タックルの甘さを衝かれて健闘空しく敗れた。スコアは前半21-5、後半27-7の計48-12だった。好プレイも随所に見られたが、ちょっとチョンボが多かったような気がする。川井元校長はしきりに好い試合だったと評価しておられたが、もう少しまとまれば勝てない相手ではなかったと思う。5月開催の春季大会で関東大会への出場校が決まるが、現状ではまだ厳しいような気がする。

2015年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com